「松本さーん締切踏み倒すつもりっすかーゆるさねえぞー」
「ゲッ、何をしに来た担当編集!帰れ!塩をまくぞ!」
「塩をまかれて帰ると思ったら大間違いなんだよ、オイさっさと原稿あげろっつってんの、おわかりですかね先生?」
チンピラ(みたいな)担当編集、島原久吉くん(通称ひさきっちゃん)はうちの玄関をピッキングでもしようかという勢いでドアノブをがちゃがちゃと動かしている。
「かっかえれチンピラァ!おまえはお呼びじゃねえんだよォ!」
「うっせーなおまえがおよびじゃなくともこちらは編集長がお呼びしてんだよ!」
「他を当たれ!」
「開けないとマジでピッキングだぞ!」
きっとこいつのことだ、壊しておいて「テメェが開けないからだろ。報復だバーカハハハ」とか言って修繕費は一銭も出してくれないだろう。ケチンボめが。
仕方ないのでドアを開けると、やっぱりチンピラはチンピラっぽい顔で部屋の前で仁王立ちをしていた。
「はっはーん!実は原稿はできているんだ!」
「じゃあさっさとわたせっつんだよこのアホ」
「ギャフン!」
この人は、自分の付くべき仕事を間違ってると思います。
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