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20101123/きぃ



休日に賑わう飲食店。低料金の割に、味の良いと評判の店。
禁煙席、窓際の四人掛けのテーブル。

広げられたままの、メニュー。
汗をかくコップの中で、氷が小さく鳴く。

「凄ぇだろ?」

上目遣いで相手を見据え、手元のデジカメから一枚、拡大。

「……!」

テーブルの上で、握られる拳。
写真を眼にした途端、息を呑む反応に気を良くして、隼太は頷く。

「触りた……ぃ。」

差し出された画面を、そろりと指先で撫で、託朗は呟いた。

「かっけーよな、」

満足気に同意し、幾分温くなってしまったコーラで喉を潤す。
その瞬間を思い返し、隼太はしみじみと言う。

「もぅ……もこもこが凄くてさぁ……、」

目線はデジカメ。

二人の意識が、追加注文も忘れる程集中している写真。

デジカメに拡大された画像には、毛並みの独特にワイルドな、小型犬が小首を傾げ、つぶらな瞳を向けている様が鮮明に切り取られていた。

「もこもこ、」

乗り出していた上体を、長椅子にもたれ掛かけ、うっとり託朗が呟けば、

「かわぃー、」

デジカメをテーブルの中央に置き肩肘を付きながら、隼太も呟く。



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この物語はフィクションです
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