あなたの手
あなたの目
あなたの心
冷たいのは愛


[冷たい指]


あなたが僕に差し出す手はいつも素っ気ない。いや、それがあなたの僕への対処なのだろう。
でも、手を差し出されてるってことは存在を否定されていないってことでしょう?
あなたが僕を必要としているのでしょう?
あなたが付けた誓いの手をまっているんでしょう?
手が冷たかろうが暖かろうが手を差し伸べていることにはかわりはしないでしょう?
つまりはそういうこと。手の温度なんて関係ない。差し出されているか差し出されていないかの問題だ。

あなたの僕に向ける目はいつも何か冷たい。あぁ、この目がもどかしい。冷たい時には狂気と凶器を持ち出してくるくせに、ふとした糸が切れたとき謝りながら治療する。
冷たくしてくれるならいっそ絶対零度並みに冷たくしてほしい。あぁ、僕はマゾヒスト?笑っちゃうなぁ。そんなの帝人先輩限定に決まってるじゃないですか。
帝人先輩、やきもちですか?かわいいなぁ。
でもあなたに冷たくされるほどあなたを落としてあげたくなる。
でもあなたが目を向けてくれるってことはあなたの中に存在しているんだから今は問題ない。

あなたから発せられた言葉はいつも鋭い刃を帯びている。他には向けない針のような言葉。いや、先輩ならボールペンって言うべきかな?
でもその言葉を独り占めしてるんだと思ってたけどどうやら違うらしい。
あの情報屋にもあんな感じだし、黄巾族のリーダーにもあんな感じだったらしいじゃないか。まったく僕を妬かせたいのかな、先輩はさ。僕だけにしてよ?じゃないと今度こそ貴方のために殺してしまいますからね?


でも、でも僕に冷たくするのはあなたの愛情表現なのでしょう?
あぁ、ぞくぞくするなぁ…
罵られて、あなたにボールペンで刺されて…
あぁ、楽しいなぁ。
でも帝人先輩を挿すのは僕。
僕だけのもの。


あぁ、
あなたの冷たい全てを
手にできたら
どれだけ楽しくなるだろうね。


ーendー



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