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02

鳥の鳴き声の音と共に目が覚める。

重たい体を起こして、カレンダーを確認した。
・・・今日から、夏休みだ。さぁ、何をしよう。


02:


私の住まいは、家兼コンピューター関係の研究室になっている。
もちろん、家なので私も研究員の一人である。

おもに、ハッキングやプログラムの作成、提供、時には機密書類を預かり、データー化するときもある。

・・・そのせいで狙われることはしばしばあるが。

今日は出勤日ではないので顔を出す必要はないのだが、まだ成人していないため所長さんに出かけることを伝えなければいけない。めんどくさいが、仕方ないのだ。

「おねぇさーん、身体動かしてきまーす。」

「はーい、いってら。」

おねぇさんと言えども、34、5の所長さんだがやっぱり若く言われたいのかな、こう呼ぶことが(本人曰く)義務付けられている←

今の格好は、黒のバイザーに白黒のTシャツ。ピンクのスカートに白のスパッツ。そして水色のランニングシューズ。
今から、自然公園にスポーツしに行くんだ。これが私の休日の使い道。






外に出れば今日は快晴。心地よい風が髪を踊らせる。いい、テニス日和だ。ストレッチしながらボソッと呟く。よく見れば、今日もいい対戦相手が居るではないか。別に、勝ち負けなんてどうでもいいんだけど、私と対戦する奴は必ず勝敗を気にするのだ。ただ、楽しみたいだけなのに。

「綾香さん!対戦しませんか?」
「もちろん。勝敗気にしないけど。」
「僕もです。ろくなことありませんし。いきますね!!」










「うぅ・・・やっぱり叶わないな。ありがとうございます。いい対戦でした。」
「ははは!いいって事さ。楽しけりゃそれでいいんだ。」

この青年はいつも私が来ると対戦を申し込んでくる。週に1、2回しか通わないのだが、そのたびに強くなっている。

((そうそう、努力しないと賞賛されないんだ。最初っから強い奴なんて居ない。))

そんな青年を今すぐにでもプロに連れて行きたいと、思うのは私だけなのだろうか。























































「・・・時間かな。帰ろう。」

あの後、青年を教えてから昼食を食べ、そこらへんのバスケチームに混ぜてもらいバスケをずっとしていた。やっぱりスポーツって楽しい。

prrrrrrrrrrr........


電話が鳴った。

そろそろ、着信音を最近で言う「ボカロ」に変えようか。と思いながら画面を表示する。サム、とそう表示されていた。

「・・・サム?どうかしたのかい?」
『“どうかしたのかい?”でもないよ!!昼頃からずっと電話してたのになんで出ないんだよ?!!』
「ごめーん。バスケしていたよ、その時間・・・。どうかしたのかい?」
『ハァッ・・・本当にスポーツ好きだねぇ…。あ、車、買ってもらったよ!!』
「おぉ!見てみたいな!!」
『それがさ・・・父さん、君と会いたがってるんだ。ついでに泊まっていけって。』
「え?別に明日でもよくないか?」
『僕もそう反対したんだけど・・・。ほぼ強制だけどいい?』
「あぁ、明日もどうせ空いてるんだ。せっかくだし、お邪魔するよ。」
『本当?!分かった。今から来てもいいよ。荷物はいらないから!!じゃあね!!』

・・・・・・。

「・・・まぁ、お邪魔するとしようか。」

用件を伝えて相手の返事を聞かずにきる。恒例のことだ。財布が入っていることを確認してから、サムの家へと向かった。






此処で断っておけば、普通通りの人生LIFEが送れたのに。


“奴ら”と出会うことなんて、なかったのに。

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