08
どうして、
ねぇ、なんで?
やっぱり
人間は大っ嫌いだ。
08:ある意味とんだ大惨事
《NBE接触者捕獲計画》
その響きが大嫌いだ。
NBEっていう単語も、捕獲っていう文字も。
嫌な響きが言ってもいないのに音波として耳元で広がっていく。
―――――
黒のバイザーをつけて、とある部屋にいく。シモンズが注意していることなんか聞こえなかった。
"とにかく、俺は行かない"
断固拒否した結果、特別にキューブの監視をしておくことになった。サムやミカエラを自分の手で捕獲なんてしたくない。唯一の信じられる親友だ。というか、信友の方が俺にぴったりかもしれない。
じっくりキューブを眺めていると、指で転がしていた銀色のボール(俺が作った無線機)が部屋の外へ転がっていった。
取りに行ったのはいい。が
「うぁっ!!!!?」
バランスを崩してしまいキューブの方向へ倒れる。
ズキン
左手に衝撃が走った。もしや…と思い、左手が伸ばした先を見ると
キューブに手をつっこんでいた。
「…大丈夫、俺は見てない。」
引っこ抜いて、動機を抑えようと胸に手を当てる。大丈夫、気付かれないさ、きっと…。
カチン
…え?
ネックレス。母の形見のロザリオが掛かって居るが、そのすぐ傍にはキューブのようなモノ。あちゃー…やっちまった、
「いやな予感がする」
《大当たりだな。オネエチャン。》
・ ・ ・
「うわあぁ!!!!?」
《うぉ!!!!?落ち着け!!殺さねぇよ!!》
「…まじか?」
《まじまじ…》
スポーツカーの姿があった。
「ん?話せるって事は…カマロちゃんの仲間?」
《!バンブルビーの事か!?》
「へぇ…そんな名前だったんだ。あんた、名前は?」
《A軍副官ジャズだ。よろしくなアヤカ》
「知ってるのか?あ、ビーちゃんの…。」
《あぁ、ビーちゃんからの情報だ。》
俺たちはくすり、と笑った。心臓がやけにうるさいのは気のせいだ。
「!大変なんだ!ここの組織がサム達を狙っているんだ、早く…早くビーちゃんの所連れて行って!」
一瞬車体が動いたが、優しい声で
《お連れいたしますよ。お姫様。》
一瞬で顔が熱くなり、心臓が早鐘を打った。
- 9 -
[prev] | [next]