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05


05:秘密は事が済んでからのほうが、宜しいかと。



3人乗ったバイクに追跡するパトカー。
世間から見れば「どんまい☆」ですむような(すむの?!)光景だ。

―しかし。

追跡するパトカーが変形するロボットだったら。


『ちっくしょー!!巻きたいけどスピンしたら全員死ぬ!!』
「いかにも僕らが乗っててイラつく、って言ってるようなものだよ?!!」
『大丈夫。そんなこと思ってるわけ無い・・・・と思う←』
「ひどい!!」


・・・・まぁ、追われている側はそんな会話しか出てこないのだが。
それ以外にも「アヤカかっこい・・・絵にしたいわ・・・」『ミカエラ黙ってよ?!!』とか、『ガン●ム見たい・・・。』「やめて?!!」という会話しか飛んでこない。

いつの間にか、偽パトは半分変形していた。奴が発砲する銃弾が、腕にかすれる。そのたびに赤い液体がミカエラ、サムの服に付着する。あぁ自分の液体なのに・・・。でも、2人が怪我しないのならお安いものだ。

―右手にかぶさってる手袋を見つめる。指で手のひらの中を触る。コン、と音が聞こえてこう呟いた。


『頼むから、エラーだけは起こさないでくれよ?俺の手のひらに埋め込んだ【主電源】ちゃん?』


このことは絶対に言わない。親友のサムや、ミカエラでも。日本で国家機密にされている以上、当の自分でも口出しはしない。決まりだ。・・・いつか話すときが来るのだろうか?


『こんなことになってるんだ、絶対に来るだろう』


ディスプレイの君だけにも、まだ秘密にする。そのときまで、ね。


「!!!アヤカ!前!!」
『え?・・・うわぁぁぁぁあッ!!』
「「うわぁぁぁぁ!!?/きゃぁぁぁぁあぁぁ?!!」」


考え事のし過ぎで目の前にはビル。避けようと急カーブするも、その衝撃で全員吹き飛んだ。もちろん、当の本人も。


『クソッ・・・!!』
「アヤカ!!後ろ!!・・・ってうわぁ?!!」
『サム!!・・・ってぎゃあ?!!離せ!!離せ!!!』


あの、偽パトはいつの間にか、完全なロボットに変形していて、俺をとっ捕まえる。っておい!!!俺カンケーねぇだろ?!!サムに用があるのならさっさとサムを襲え!!・・・ってひどいか←


≪ヨクモ・・・!!殺ス!!≫


首を絞められる。え?これじゃぁ・・・窒息死のまえにつぶされて・・・苦しい!!


『あぅっ・・・がっ・・・』


あぁ、此処で終わるんだ・・・、と、思ったそのときだった。
かすれていく景色の中、派手な車が近づいてくる。黄色に黒のライン。そう。あの車は
昨日サムが見せてくれた自慢の中古車。俺のバイクのエンブレムと同じ・・・。


『・・・カマ・・ロ?』


しかし、次の瞬間車で無くなった。それは変形していま自分を捕らえてる同じようなロボット。それは突然のことだった。



『!!ちょ・・・うわあぁぁぁあぁぁ!!?』



カマロが偽パトに衝突、俺の身体は宙に舞う。無重力を感じるも、一瞬で重力がかかり、下に落ちていく。




―かみさま、生まれ変わるならもっと丈夫な身体でありますようn




どすっ、と、音がした。死ぬ覚悟の俺は死んだ、と思っておそるおそる目を開けると、なんと変形したカマロの手のひらに着地していた。


『カマ・・・ロ?』


わぁ・・・本当にロボットなんていたのね。カマロに『さんきゅ』と一言送って降りる。

『ミカエラ!!大丈夫k・・・ミッ、ミカエラ・・・?』

冷や汗だらだらと流しながらミカエラを見る。彼女の手には「チェーンソー」。そのまわりには小型のロボットの破片。・・・まさか。


「あら、大丈夫だった?!」
『お、俺は大丈夫だ・・・ミカエラ・・・これ、君が・・・?』
「小さかったからね。意外と楽勝だったわ。」
『そ、そうでございますか・・・。』


1つの方程式がアヤカにできあがった。
≪ミカエラ=危険だから敬語が良い≫というなんて低レベルな方程式だが出来上がったのだから守らなければ。

(自分も殺される・・・!!←)

この日からアヤカはミカエラを怖がるようになったのだ。


********************************

「…何なの?…」

ミカエラが呟いた。まぁ、確かにパニック状態に陥るだろう。



「ロボットだ・・・しかも、ただのロボットじゃない・・・超最先端ロボだ。
・・・たぶん、日本製」

『日本じゃぁこんなの作れないさ。ア●モで今は限界だと思う・・・。』


機械などの類では日本がトップレベルと言われているが、さすがにこんなのを作るには今の技術じゃだめだ。しかも彼らは生き物同然だ。まるで人間のような・・・。


『・・・なぁ・・・』

≪"こちらXM衛星放送""CBSラジオ放送局"・・・≫

『・・・あんた、ラジオが唯一の会話手段なのか?』

≪"素晴らしい!!""いやーお見事!!"≫


すると彼は拍手をした。実に面白い←。人間だ、まるで命を吹き込まれたような・・・。しかし、彼は何故此処にいるのだろうか。


「一体アレは・・・」

≪"宇宙艦隊から""広大な宇宙の彼方より"
"天使が来た!天からの訪問者!ハレルヤ!!"≫

『宇宙・・・天・・・ってお前等、エイリアン?!!』

そう驚いたように言い放つと、≪お見事!≫と、言ったように俺を指差した。
なんだコイツ意外と

(カワイイ・・・)

・・・あぁ!!今の訂正!!かわいいなんて思ってないんだからな?!!←

すると、金属がこすれる音がした。カマロに戻ったんだろう。ドアが開く、まるで乗れ、とでも言ってるようだ。

「乗れ、って言ってる・・・」
「・・・で、どこに行くの?!」
『乗りなよ。』
「アヤカまで・・・!!」

俺はバイクに跨ると、彼女に向かってこういった。




『50年後に、"あの時乗っていれば"って後悔したくないだろ?』




それは、彼女の迷いを一瞬で解消したようで意を決してカマロに乗り込んだ。


『さて・・・カマロちゃん!!俺はバイクで追いつくからよ、エスコート宜しくな((ニッ』


その言葉に喜んだようで、≪任せた!≫とでも言ったようにエンジンをブオォォン!!と鳴らせた。

『あぁ、宜しくな。』

俺も、これから何が起こるんだろうと着たいと不安が入り混じった状態でバイクを走らせた。







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