南沢先輩は変態だ。
こんなこと言ったら何されるかわかったもんじゃないから口にしない、というか一回したら酷い目に会った。
とりあえず誰が何と言おうとも南沢先輩、は変態だ。
倉間が前に冗談で「エロみ沢さん」とか言っていたけど、洒落にならない。

先週の日曜日の出来事である。珍しくサッカー部も休みで私は南沢先輩の家に居た。中学生というのはやはり恋愛とかそういう類と同じくそういう方面にも興味がある訳だが、南沢先輩は別の意味で興味がありすぎる。
というか何故かは知らないけど色々と妙に詳しいし、私なんか少女漫画でしか恋愛とかそういうのは生まれてから知らなかった訳で
更に言うと付き合ったのは南沢先輩が初めてな訳で、初めて南沢先輩の家に行ったときはいきなり驚いてビンタしてしまった。が、その時はまだ先輩も普通だったのだ。

そう、初めての時は。ここが重要な部分であってつまり問題は今なのだ。

「ねえ南沢先輩」
「何だ名前」
「いつまでこれしてれば良いんですか」
「俺の気の済むまで」

部屋に入っていきなり南沢先輩が抱きしめてきたと思ったら何故かそのまま壁に押し付けられて数分、特に何をするわけでもなく壁を背後に抱きしめられているだけ。
それだけの筈なのに嫌な予感しかしない、今までの経験が私に警報を鳴らしてる。と言ってもそんな警報が鳴っていても私は逃げる事は敵わないのだが。

「先輩、そろそろ「篤志」
「え?」
「名前で呼べって前に言ったよな」
「…覚えてません。」

私を見下ろす南沢先輩の目がぎらついていて背筋がぞわりと震える。ああ、ダメだまた抵抗できない。そう思った瞬間軽々と私の体を持ち上げて先輩はベッドに向かった、今日は何をされるのか考えて少し期待している自分に気づいて、そろそろ私もダメになってきたのかな、と思ったのは布団に投げ出されるのとほぼ同時だった。

結局逃げられない

(今日は一体何をされるんだろう)
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