南沢さんの隣にはいつも違う女の人がいる。
彼女は私だけ、だと言っているけど
私と居ないときはいつも別の女の人がいる。

授業中、部活中、それ以外は
同級生、後輩、どこの人なのかわからない女の人
南沢さんには沢山の「女の人」が居る。

咎めても先輩は
「愛されてる実感が常に欲しいんだよ」
と言って、私の話をちゃんと聞いてくれない。
私には貴方しか居ないのに。

南沢さん、愛って近くに居ないとわからないの?
私がずっと近くに居れば私の隣にずっと居てくれるの?
どうやったら私のことだけを見てくれるの、我慢も疲れたよ。

だから、私は

「ねえ南沢さん」
「何だよ」
「いつも女をとっかえひっかえ、いい加減苗字が可哀想とか思わないんっすか?」
「大きなお世話だよ。それにこれは作戦なんだ」
「は?」
ほら、倉間。これがその作戦なんだよ

南沢さんは退部した。
新しい監督と馬が合わなかったみたい
それでもいいの、サッカーをやっている先輩は格好良くて大好きだったけど
今はずっと私の傍に居てくれるの。もう他の女の人の所にも行かないって言ってくれた。

「名前、やっと俺の傍にずっと居てくれる様になったな」


愛されたがり同士の空回り


(こいつが傍に居てくれないなら傍に来させればいい)
(あなたが私だけを見てくれるようになって、愛してくれて嬉しいの)
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