一日学校で、その日は珍しく補習にも引っ掛からなかったのでとっとと家に帰った。
この前買ったばかりのゲームをやろうと本体の電源を入れると、俺のベッドで足を組みながらリボーンが鼻で笑っているような声音で話し掛けてきた。
「ホントにお前はゲームばっかだな」
「悪いかよ、いーじゃん好きなんだから」
「そんなに好きならその世界に行っちまえ」
「へーへー、行けるもんなら行きますよー」
カチャリと不本意にも聞き慣れた音と共に後頭部に冷たい金属が当たったのが分かった。
ひやり、と汗が伝ったのもつかの間、リボーンがニヒルな笑みをしている雰囲気が漂い、
「あばよ」
と声をかけた。
ズガンッ、と弾は見事に減り込んだ(と思う)。
世界がぐるぐるぐるぐる回った気がした。
ちゃっちゃっちゃーらー
どこからか聞いた覚えのある音がした。
ハハハ、なんかゲームみたい。
【ゲームだぞ】
リボーンの声が響いて跳ね起きた。
頭を押さえると撃たれたはずなのに穴はあいてない。
【ゲーム好きなお前のために新しい死ぬ気弾を発明してもらったんだ】
姿は見えないものの、一緒に住んでいただけあってタイミングは分かっているつもりだ………あいつ、笑っていやがる。
【いやー、良かったなーツナ。大好きなゲームもできて修業にもなる、俺もストレス発散できる、一石三鳥じゃねーか】
「ぜってぇ最後が本音だろ!!」
キレたところで意味がない。
そんなこんなしていたら、なんか太ったオジサンが話し掛けてきた。
『どうしたんだい、君!は!その顔は……勇者様!』
「は?」
街の人達が集まって俺を囲み、誰かがズルズルと俺を引っ張って行った。
え、ちょっと待ってよ、俺は
異世界から来たただの人
なのに!
【冒険の始まりだな】
「のおおぉっ!」
【ちなみにこのゲーム、セーブもロードもなければ、ゲームオーバーはテメェの命だ】
「神様、仏様、リボーン様!!」
【せいぜい死なねーよーに頑張れよ】
「のおおぉぉっ!」
リボーンいつかぶっ飛ばす!!!
【テメェに言われるには100万光年早いぜ】