ああ、ちょうどいい。そこのお前、こっちに来い。は?貴様以外、この教室に誰がいると言うのだ。貴様の目は節穴か?何?それは耳だ?ううううるさい!とにかくおとなしく黙って俺の話を聞けば良いのだ!

「貴様、今日帰って来た先日のテストどうだった?俺か?はん、あんな問題、口ほどにもなかった」

だと言うのにだ、あの馬鹿二人組はまったく勉強もせずにのんべんだらりとしくさって、案の定、赤点を喰らって居残り勉強させられている。それに付き合わされる俺の気にもなってみろ。教えてやってもまったく身についていないとは、奴らは小学校低学年からやり直すべきだと思うぞ。あ?誰の話か?分かるだろう、葉の奴とバカホロだ。

「待て、まだ帰るな続きがあるんだ」

俺たちが勉強してる中、あやつが割り込んで来るんだ。やたらべらべら喋ったあげく、やたら簡潔なヒントを言うとあの馬鹿二人は納得してあっさり解きやがったのだ。俺のプライドが許さん。なんなんだアイツらは。何?教え方が悪いだと……?貴様、次は命がないものと思っておけ。ああ、もうそんなにビクつくな、とりあえず馬孫刀は直しといてやる。

「で、だ。まあ、あの男のことだ、変態には変わりないだろう?」

ん?なんだ、その顔は。あの男が誰か?俺にあいつの名前を言わせる気か……?口にもしたくない。……麻倉だ、葉じゃないほうのな。そう、自称アメリカ帰りの兄貴の方だ。
葉の奴とホロホロは手元の問題式に集中しているからまだ良い。しかしだな、教えてやっていたのにその座をあの男に取られた俺は手持ち無沙汰になるのは想像つくだろう。ついでに腹がたっていたからずっとあのロン毛を睨みつけていたのだ。
そしたらあいつ、やけに顔が緩んでいると思ってよく見たら、シャーペンを持つ手で問題を解いていたクセにもう片方では葉の腰をさすっていたのだ!問題を解き終わる度によく出来たと誉めるのはまだ良いが、額に接吻する必要性はどこにあるというのだ!しかも回を重ねるごとにどんどん口の方へ近付く!だと言うのに当の本人はまったく気にも止めていない。海外ってスキンシップ激しいからそれがそのままになっているだけだろう、と思っているらしい。………何、貴様もそう思っているのか?勘違いも甚だしいぞ、それは。あいつは故意にしかやってないからな、絶対。

「…顔色が悪い?……心配するな、吐き出せばきっとおさまる」

貴様の耳はロバの耳ってやつだな。は?すっきりするけど秘密が回りに広まる?別にあいつが気持ち悪いとハブられるなら良いさ。しかしだな、認めたくはないが、奴には回りに人を寄せ付ける力があるからな、広まってもたいして意味はないだろう、実に残念だな。

む、廊下がやけにうるさいな。嫌な予感がするから失礼する。

「れーーんーーっ!聞いてよ、僕の葉が大問3が解けたんだよー!」

何よりもこの男だけが合意の上でスキンシップを取ってると思い込み、それを赤裸々に自慢されるのが疲れるんだ、とりあえず話聞いてくれて感謝する。今はこの男のノロケ話を聞かずに済むようにしたいんだ。

「あ、明日テストどうだったか教えろよ」





捧げよーと思ってなんか玉砕。でももったいないからとりあえずアップ
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