蜜柑時代の最終回一分予想@































ついに最強にして最凶の人間となった少年を目にして、胃の辺りが疼いた。身体から溢れる、決して他者を相入れない雰囲気
逆立った長い髪が威圧感をさらに強くしている。


「さすがだな、王の社まで辿りつくとはね」


完全に振り返りもせず、瞳孔の開いた瞳を葉たちに片方だけ向けてそう褒めた。


「おう、なんとかな」


へへっ、とゆるく笑うと呼応したようにハオが喉の奥でくつ、と笑った。


「ああ、パッチをも退けて来たんだろう」


振り返ったハオは今まで裸だったのに突如としてズボンを履いていた。
すべては思いひとつだ。

ハオのモノとなったグレートスピリッツがゆらり、と煌めいた。

一歩、ハオが踏み出すと直ぐさま葉の目の前にまで差し迫り、その首を掴んだ。
ぐ、と苦しそうな声が漏れた。


「言ったろう、僕は最強のシャーマンとなり、最強に強くなったおまえを喰って最強になると」


今 が そ の 時 だ


ハオの瞳の奥の炎が揺らいだ。


「葉っ!!」「させるか!」


すかさず蓮とホロホロが慣れない持霊を用いて自身最高のオーバーソウルで挑んだ。


「邪魔だよ」


ハオはそう言ってもう片方の手で壁をつくり二人の攻撃を弾いた。
地面にこすりつけられた二人は ぐあっ、と声を漏らした。

一瞬だけ出来た隙を見て、チョコラブが葉を救出した。

地面に降ろされた葉は喉を押さえて幾度か咳を繰り返す。



「ハオ……っ」



怒りを目に宿したリゼルグにハオは嘲笑を見せた。


「どうだい、僕のお下がりの使い勝手は」
「最高だよ」
「そう。 よかったね、スピリットオブファイア」


SOFの首が上を向いた。
かつての主人は、今では微塵も彼を必要としていない。
涙を堪えている、ようだった。

5人掛かりで相手しようにも、この勝者の強さは別格であった。

なんとかして、ハオがGSを手に入れ、力を行使することだけは避けたい。 人類のため、だなんて大きなことを考えてのことではない。 今はただ、支えて来た人達の恩に報いたかった。

力で敵わないと知りながら、攻撃を加える。

ハオは何が楽しいのか解らないが、すべてを甘んじて受け流している。


巫力が持たない、それは最悪とも呼べる事態である。 けれども、全員揃ってガンダーラから受け取ったばかりの莫大な霊力を持つ精霊と共に闘ったため、消耗は確かに激しかった。













戦闘のさなか不意にチョコラブが顔を上げる。









「来るぞ」









その言葉の通り、数十秒後に王の社に侵入者が現れた。
よっぽど急いで来たらしく、肩で息をする彼女にのほほんと笑いかけた。


「よ、アンナ」
「葉!! 行くわよっ!」


アンナの考えは読めない。 しかし、今の自分に敵う者はどこにもいない、という絶対的自信がハオの口端を上げる要因になっている。







長い数珠を振り撒きながらアンナは葉に向かって勢いよく飛んで行った。







「下リテクレリヤ 下リテクレリヤ イタコ式憑依術!! クチヨセ!!」



一瞬のうちにオーバーソウルを解き、トランス状態に入った葉に降ろしたばかりの霊を合体させた。




「ふふ………ここまで来て、まさかの憑依合体、か。 さすがだよ、アン」


最後まで言うことが出来なかった。

葉の表情は優しい笑みが浮かび上がり、シャーマンだからこそ彼に今憑いている霊が何者なのかが分かる。

ハオの意表を突いてアンナも満足そうに笑った。



「 ぼうや 」




葉の声を介しての、実に1000年ぶりの、愛しくて愛しくて欲しくてたまらない声だった。










「……母、さん」
  麻の葉が、ニコリと微笑んだ。




























【なんちゃって原作終盤っぽく第二弾】
ぶちぎったような終わり方ですが、仕様です(言い張る)思い出してみると、私この妄想を書いて見せたいがためにサイト作ったんだった(ぼーん)
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