「おはよーございまーす」
「おぉ、オハヨ」
毎日交わす挨拶
8:30
定刻になると、溜め息をつきながら、門を閉める。
センセー待ってー、と、遅刻ギリギリの生徒に対して、「もぅ少し早く来いよ、」と、声をかけ、何だかんだで、8:35
やっぱり、今日も彼は来なかった。
のんびり歩いていたら、チャイムが鳴り響いた。
「うぉっ、やっべ…」
走ると上の階にいる女生徒が指を指して笑っていた。
それを笑顔で返事をしてやると、キャーキャー言いながら足早に教室へ向った。
「センセー、HRが始められませーん」
と、自分の担当クラスの生徒が野次をかけてきた。
「ワルイワルイ、あと30秒待ってくれ」
30秒(推定)後、生徒の出欠を取り始めた。
「相田ー。」「はぁい」「秋山ー。」「へぃ」
「麻倉ー。」
無反応
「麻倉ー麻倉葉ー、いないんだな?いないんなら返事しろー?」
「センセー、それ無理ー」
当たり前な突っ込みを笑って返す。
そして今日も、彼は現れなかった。