舌で唇を舐めると血の味がした。
縦方向にバックリと割れているようだ。
地味に痛む唇を人差し指で押さえついでに下唇を下に押さえつけて歯茎をあらわにした。


「あー口内炎?」
「いや、唇割れた」


どれ、とハオが葉の唇を覗きこむと葉はここ、と指をさした。


「あーこりゃ痛いね、乾燥シーズンなんだから気をつけな」
「できた後に言われてもなぁ……」
「リップ使う?」
「持ってんのかよ」
「薬用ならね」


ポケットから緑と白色の典型的なリップを取り出し、渡す寸前にぴた、と動きを止めた。


「ね、葉知ってる?」
「ん?」
「人間の皮膚で1番薄いのは唇で、だから乾燥しやすいんだって」
「へー、」


リップをポケットに仕舞い、葉の首の後ろで手を組み目を合わせた。


「だから人は潤いを1番そこに欲しがるんだよ」
「へー、」
「リップなんかよりも単純な方法だからね?」


そう言ってハオはニコリと笑い自分の唇を指差した。





キス ミー














 み じ か す ぎ た !
某管理人様の科学教師の方がこんな素敵な話をしたんだって
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