「フム、よくやったな、オパチョ」
『ラキスト、何か変』
「ああ、近頃何やら頭痛がな………」
『?がんばれ』
「ああ、」

オパチョとのオラクルベル通信を絶つとラキストは自分で作り出した組織を潰しに雨の降るなか出掛けた。
雨のおかげで偏頭痛が常より痛んだ気がした。














ぺたぺたぺたぺた……と廃墟に小さな足音が走った。
久々に聞いた音にハオは読んでいた本に栞を挟み、そのまま膝の上に置き、音の主を出迎えた。

「ハオさま、オパチョ、おつかい、した!」
「うん、ご苦労様。ありがとね、オパチョ」

にっこり、と笑いハオはオパチョを抱きかかえた。
ふわふわとした頭を一撫ですると、嬉しそうに目を細めたオパチョを見てハオもつられてしまった。

「ハオ様!オパチョ、聞いた」
「ん?何をだい?」
「ホロホロ、葉様好き」

ビシッ、とハオの背景にヒビが入った。
オパチョに気付かれない程度に顔が引き攣っている。

ハオがオパチョの思考を読んでみると、その光景があった。
今も断続的に降り続ける雨のなか、雨宿りしていたオパチョと同じところに雨避けしてきた葉に纏わり付いて来てる蝿3匹(あいつらなんて蝿で充分だっ!byハオ)。

『オレはあいつのこと好きだからな』
『オパチョハオさまがすきー』

…なんてこったい!
下手したら弟が変な道走っちゃう!
すでに変な思考が働いてる自分をそっちのけで、ハオは悶々とした。

それすら気付かず、オパチョはチョコラブから読み取ったホロホロの葉に対しての行動を思い出し、口にした。
星組の試合のあと、海岸での光景だった。

「ホロホロ、前にも葉さま おしたおした」

おしたおした………押し倒したああぁっ!!?

「お、オパチョ、そんな言葉どこで……」

親心を垣間見せたかと思いきや、頭の中ではすでに処刑方法を張り巡らせている。
よもや、その発端は自分自身だとは思いも寄らないらしい。





怒り浸透(一方的)、血管はち切れ寸前、最後のまだマシな理性を振り絞り、シャンプーセットを持参して葉たちの入浴に堂々参加。
乱入したハオに文句をつけたホロホロに、ついに爆弾投下した。



 好いてる奴の名を言うぞ



この瞬間、ハオのホロホロに対する地味な嫌がらせは増加の一途を辿ることになる。
そんな事をしている理由をハオは自分では気付いていないから質が悪い。


少年はそれを恋とは知らずに走り出す




したがって、ラキストの偏頭痛の要因はここにあるのかもしれないという、ひとつの推測であった。














title by Aコース





雛乃葱子さまへ相互お礼
ホロ→葉←ハオ
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