!!ヒデノリ君がスーパーハイパーウルトラゲス
!!正直スマンかった








パチリ、ヒデノリが自分の部屋の電気をつけると芋虫状態の名前が床に転がっていた。名前の足と手首に付けられた縄には何度もほどこうとしたのか血がにじんで見える。猿轡をつけられ唸ることしかできず、それでもヒデノリを睨みつける名前をヒデノリは楽しそうに見下した。


「名前もいつもそうだったら可愛いのにな」
「んーんー!」
「日本語で喋ってくれんか?俺豚語とか理解出来ない。あ、家畜語、家畜語か?やべえ俺家畜語とか聞いたこともないわーマジどうしよう」
「んー!んんん!」
「ちょっとうるせえんだけど、名前。静かにしろよご近所さんに迷惑だろ」
「んんんん!」
「黙っとけば悪いようにはしねえから、って猿轡してる時点で悪いようにしてるのか?まあ、どうでもいいけど」
「んーんんんんー!!」
「まあ、俺名前のこと大好きだし?名前も俺のこと好きだし?そう考えるとこれも一つの愛情表現だよなあ」
「ん、んんん!」
「名前もそう思うって?やーだー俺ちょー嬉しいんだけどー」
「んんーーんんん!!!んん!!」
「ただ、ちょっとうるさすぎるから、お仕置きしなきゃな、名前」


ヒデノリは状況とはあまりに不釣り合いな明るい声のトーンと表情で話しているが、名前は知っていた。ヒデノリは名前を弄んで、名前が苦しむのを楽しんでいるのだ。生粋のサディスト。名前のことなんてオモチャ程度にしか思っていない。
ヒデノリは名前の猿轡を苦戦しながらも外すと、名前に向かって笑いかけた。その笑みに名前は全身がぞくりと粟立つ。眼が、笑ってない。


「よー、名前、気分はどう?」
「・・・っ!あんたのことなんて好きでもなんでもない!止めてよこんなことするの!!」
「ハイハイツンデレ乙、そんなこと言って名前は俺のこと大好きだよね?」
「だから・・・!」
「好きだよね?」
「・・・」


威圧的な笑顔を向けられて名前は黙ることしかできない。ヒデノリに逆らえばどういうことになるか、名前は身にしみて知っていた。名前が今手足首を縛られているのもヒデノリが言うお仕置きの一環。このまま頷けば、お仕置きなんて物が無くなるのも名前は知っていたが、それはどうしてもできなかった。ここで屈してしまえば全てが終わってしまう。そんな気がしていたからだ。


「あーあ、名前、素直に俺のこと好きだって言っちゃえばいいのに、そんなにお仕置きされたいわけ?あ、もしかして名前ってばマゾの人?知らず知らずのうちに喜ばせちゃってた?」
「・・・・・・!!!」
「そんなに唇噛むなよ、血い出たらどうするんだ。お前だけの体じゃないんだぞ」
「あんたの、」
「ごめん聞こえなかった」
「私はあんたの言いなりなんかには絶対ならない!!!」
「ふーん、そう・・・」


ヒデノリは名前をじっと見つめた。名前がごくりと唾を飲む。これからの仕打ちを考えた名前はあまりの恐ろしさで身震いをしたが、それでも絶対に屈するつもりはなかった。名前は自分の手でヒデノリの歪みを直してあげたかった。同情心からとか、好きだからとかじゃない、愛していたから、彼のことを。おかしな話だ、と名前は自嘲する。
一方、ヒデノリは名前の屈しない態度が非常に気に入っていた。瞳の奥に宿る強い光、とでも言うのだろうか、聖域のようなソコにたまに自分への恐怖が入り混じるのがたまらない。そのたびヒデノリはとんでもない背徳感に襲われていた。ああ、名前が俺の物になった時、俺は一体どうなるんだろう。今日もそんなことを考えながら、ヒデノリは名前の唇に噛みついた。




モドル