先輩はどこか嬉しそうな顔でふふふと笑うと、僕にポケットティッシュを差し出してきた。礼を言うと僕はありがたくそれを受け取り涙を拭い鼻をかむ。そのゴミを教室の端にあるゴミ箱に捨て、顔をあげると、先輩は慈愛に満ちたというかなんというか、目を細めて僕のことを見ていた。心臓が、大きく跳ねる。顔がじわじわ暑くなる。


「…ねぇ、石丸くん」
「な、なんだね、」
「石丸くんも、やっぱり、私が死んだ方がいいって思ってるよね」


呼吸が、止まった。さっきまでうるさいくらいだった心臓も固まり、顔どころか、体中からスッと熱が引いていく。僕は言葉の意味がよく分からなくて、どうすればいいのかもわゆく分からなくて、ただ先輩を見つめる。先輩はさっきまでと何も変わらずにニコニコして僕を見ている。まるでさっきの言葉が丸ごと白昼夢だったみたいに。


「な、なにを…」


続かない

精神がイっちゃってる先輩と石丸
20140605