さっき、桑田くんの処刑を見た。記憶と寸分変わらないむごい殺し方だ。ぼやけていた視界が一気にクリアになる。 これは二回目の世界だ。 振り返ると石丸くんが真っ青な顔で桑田くんだったモノを見つめている。 超高校級の風紀委員、石丸清多夏。大和田くんを亡くして、失意のまま死んでしまった愛しい人。 もしかしたら私は彼を救えるのかもしれない。でも、そのためには、犠牲にしなければならない人が二人いる。二人を助けることは、多分、出来る。でも、でも、でも、 大和田くん、不二咲ちゃん、ごめんなさい。 あなたたちが死ぬと分かっていて私は止めません。見殺しにします。 それに石丸くんも、ごめんなさい。 二人が死ななくって、そしたら誰がいつ石丸くんを殺そうとするか分からないんだよ。二回も石丸くんを殺すなんて出来ない。大丈夫、石丸くんが死んだ日、呼ばれた時間は忘れてないから。15日の午前六時。大和田くんが死んだ日から5日後だよね。別に私は死んでも構わない。山田くん、セレスちゃんを止めるんだ。そして石丸くんに、 「**くん!」 突然の声に顔を上げると、石丸くんが心配そうな顔で私を見ていた。心像が鋭く痛む。私は視線を落とし、なに、と思ったより細い声で問い掛けた。 「大丈夫かね?顔が真っ青だぞ…」 「あはは、石丸くんもじゃん」 「……僕には風紀を守る義務があるんだ。過ぎてしまったことはどうすることも出来ない。大切なのはこれからだ。風紀委員の名にかけて、もう二度とこんなことは起こさないと誓おう!安心してくれたまえ!残りの13人、一人も欠かすことなく僕がここから出してみせる!!」 「…ありがと、頼りにしてるね」 (何を犠牲にしても) 今度は絶対に石丸くんを助けるよ
20130904 ×
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