希望と期待に溢れた、私立希望ヶ峰学園。
その校門の前に立ち───私は不安だった。そのせいか校舎は陰を帯び、より不気味で恐ろしいものに感じる。出来れば行きたくは無い。だけど私には行かなくてはいけない。やらなくてはいけないことがある。私は息を吸い込むと、目を閉じ、希望の学園に一歩踏み出した。
そして目を開く。


「成功した…」


でもまだ安心は出来ない。そうだ、みんなの無事を確かめるまでは。入学案内書を握り締め、教室へ向かう。無意識に歩調が早くなる。時刻はもう集合時間に近く、みんなはもう集合しているのか廊下には生徒の姿はなかった。だが、窓は封鎖されていない。独特の閉鎖感もなく、清潔感溢れる校舎は希望に満ち溢れているようだ。心臓が高鳴る。迷うことなくたどり着いた教室。私は一瞬の躊躇の後扉を開けた。
そして望んでいたものが目に入ってきた瞬間────


「…うっ、うぐっ、うう、」


────私は泣いた。
だばだばと目から滝のように涙が流れる。みんなの驚いたような声にまた視界が滲む。安堵と満足感、そして純粋な喜び。胸中でぐちゃぐちゃにかき混ぜられた感情が喉に詰まってろくに言葉も言えない。念のため持ってきたボックスティッシュからティッシュを毟ると私は涙を拭う。だが使えども使えども涙は止まず、結局私が泣き止んだのはボックスティッシュを半ば使い果たした頃だった。


学園ほのぼのギャグ時々シリアスで、盾子ちゃんの野望阻止の為に一年間頑張る主人公。感動感激のあまり序盤はすぐ泣くのでみんなからは情緒不安定だと思われている。ボックスティッシュ常備。
シリーズでそのうちやってみる予定(予定)


希望ヶ峰希望の一年間(ネタバレ)
20130801
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