▼ 花の箱庭
朝起きて自室の窓を開けるとすぐそこに紫の背の高い花が視界一面に咲き乱れていた。
「なんだこの花!昨日は植わってなかったぞ?」
「エレナが朝方せっせと植え替え作業していたぞ。」
「しかもこれグラジオラスじゃねぇか。親父ギャグかよ」
「…意外だなお前も花なんてわかるのか」
「わかんねぇよ
ただあいつが前にそう言ったんだよ。覚えてただけだ」
花の箱庭
「おいエレナ、ありゃなんだ?」
「あ、おはようグラディオ!いい朝だね!」
エレナは若くして王宮に仕える所謂王室就き庭師だ。それは父の代から引き継いだ仕事で今も正しく言うなら庭師見習いである
剣技において王室に仕えるグラディオの家とは古くから宮仕え仲間である
「お前の腕じゃまだ王宮の庭園を弄れねぇのはわかるが俺の部屋の前を改造すんのはやめてくれ」
「いいでしょこのくらい。グラディオの部屋辛気くさすぎるし」
「ほっとけっ」
エレナとはイグニス同様長い付き合いが幼なじみである。
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