誰が為の翼
こんなはずではなかった

ついにこの日が来てしまった。

王女との婚姻
ノクティスの結婚式だ
どうしてこんなタイミングなんだ
何故僕は

旅立ちの日
僕はノクティスの代わりに王座の前で立っていた。
ノクティスの姿で



「浮かない顔だな。どうした?」
僕の顔を見やるイグニスは僕がマリッジブルーよろしく不安になっているのかと危惧しているのだろうか

僕が
ノクティスの代わりに結婚していいのだろうか

「わかんない…」
「は?」
「あっ、いや、わかんねー
気にすんな」

ノクティスらしい話し方は難しい。僕はノクティスとあんまりにも正反対なんだから。


…お父様との絆も


「……行ってきます、お父様…」
「……お前も、達者でな」
「え」

振り向けば陛下はさんと行ってしまった。
昔から見ていた父の背中が小さく見える。
遠くまで来てしまったんだなと感じた。


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bkm
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