02 「ん……んん」 消毒液のようなきつい臭いで目が覚めた。大方、和成がケガでもして、物を出しっぱなしにしちゃったとかそんな事だろうと思った。何それ嫌がらせか。でもさすがに嫌がらせでそんな地味なことはしないだろう。だって和成だし。そもそも私、和成になんかしたっけ?寝る前はー確か、帰ってきて勉強しようって話になって、持つ物持ってそれで……。 …それから、どうなったんだっけ? 私昨日和成の部屋に入ったっけ?そもそもいつ寝、た…。 そこでやっと目を開けた。目の前は普通の真っ白の天井、いや少し染みらしきものはある。雨漏りかな。けれどこんな天井私は見覚えがないし世話になる理由もない。 …ただでさえ低血圧なのにこんなに考えされられるなんて…。うまく寝れたがしない。 しかしこんな場所にいる理由すら分からないままここにいるのはすっきりしないや。上半身を起こして辺りを見回した。なんだろう、どことなく学校の保健室を思い出す。雰囲気がすごく似てるんですねー。 隣に私と同じように横になって寝ている人物がいたのだが、これは起こして訳を聞いてみてもいいのだろうか。気持ちよさそうに寝てるしそっとしておくべきか。…別に人がいたって驚くことではないだろう。 鉄製のベッドに横たわり規則正しく呼吸する茶髪のショートカットの人。可愛い人だなぁ、と寝起きであまり動かない脳で考える。うちの制服とほぼ変わらないような紺色のセーターを着ている彼女はどこの学校の子だろう。見たことあるような、ないような。…あれ、私も制服だった。おかしいな、間違っていなければ着替えたはずなのに。 もしかして私は夢でも見てるんじゃないだろうか。でもそれだと目の前の子うんたらを解決しないとね。よし。 ちょっと目の前の子起こしてみようと思います。 20140722 |