01


学校が終わり部活を終え家に帰る。そんな当たり前の日常。
家に着いても自分の部屋にも行かずリビングのソファで昼間の疲れを癒していた。制服にしわが付くと母の注意が聞こえるが今はそれどころじゃない。今日はいつもに増して疲れた。もう歩けん。当然眠気も来たが、今寝ることを耐えた。一度寝ると後がめんどいと言われる私である。
暫くぼうっとテレビを見てると後ろから聞き慣れた声がする。

「ただいまーってお前まだ着替えてねーの?」

「おかえりー。めんどくさい」

「んじゃー飯まで勉強しようぜ!」

「参考書?」

「おー」

第三者が見たらこれだけで会話できてるのかとよく言われる。まあ兄妹なんだし何となく分かる。要は私は参考書(あと宿題)を持って、いつも通り和成の部屋へ来いってこと。

帰ってきたのは双子の兄、和成だった。和成はとっとと自分の部屋に向かってしまったため、私も行こうとその重い腰をあげた。
私と和成は学校は違うがこうして何度も一緒に勉強をしている。確かに学校は違うが、するしないではかなり違う。結構為になっている。
服はまだ制服だけど切りのいいところで着替えようか、いやせっかく部屋に来たし着替えてしまった方が早いか。

適当に着替えて必要な物を持って和成の部屋の前に着く。兄妹だけど礼儀としてノックをする家って早々ないと思う。

ノックをしようと手をあげたとき、突然腕を後ろに引かれ、視界が真っ暗になった。







『みーつけたっ』


暗闇の中、確かに聞こえた高い声を最後に、意識は途切れた。




『ふふっ』



ぱさり、彼女がいた場所で彼女の持っていたそれが落ちた。

20140722


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