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全員で職員室に入り、4階にあると言う第1音楽室の鍵を取ってきた陽泉+私チームは4階に向けて階段を上っていた。保健室近くの階段から一気に4階に行こうと言う根端。まだ化け物には出会ってなくてほっと一安心なんだけど、気を抜いた時に不意打ちで来られても困るから思いっきり警戒します。
そんなわけで現在は2階から3階に上がる階段を上ってるんだけど…。

「しんど…」

一気に4階に上がろうともすれば足に疲労が伴う。ずっと同じ動きしてる時の辛さって言うの?なんていうかそんな感じと言いますか。休むって程でもなくて。化け物が来たとしても逃げれる自信はあるけど。ちょっと辛いだろうね、はは。笑えない。
それにしても、

「にしてもまだ何も出ないアルな」

「その方が楽でいいんじゃね?」

「何を言うアルか。日本のホラーは怖いアルよ!」

「知ってっけどそんな話はしてねぇよ」

「確かにJapaneseのホラーってアメリカのとは違うよね」

「そー?」

何 故 彼 ら は 平 然 と し て い る の か !むしろなんでホラーの話。どれだけ平気なんだろうこの人たち。
元と現役の体力の差と言うのか、そうなのか。話せるほど体力に余裕があるんですね、なるほど。一人で納得してるともう4階に着きそうだった。氷室さんの素晴らしい英語の発音とか普通に聞き流してた。何あの英語、うますぎ。

そうこう考えている間に4階、第1音楽室に着いてしまった。話に聞いてた通り…音楽室以外何もない短い廊下、小さな下駄箱。そういえば図書室のところにもあったかな。

岡村さんが鍵を取り出し中を覗き、何もいないことを確認するとokのサインが出た。それを合図に全員が入っていく。私も遅れを取らないよう着いていった。
中に入っていくと広すぎず狭すぎず。教室より少し広めの部屋だった。壁際に置かれた楽器、生徒が座るであろう椅子たち、部屋の真ん中に置かれたピアノ。…黒板に書かれた荒い落書き。

「…赤いチョークってあったっけ」

「は?何言ってんの?」

「いや、黒板に赤とピンクのチョークで文字が書かれてるから」

「…これチョークじゃないね。血じゃないかな」

「え」

黒板に近づきそっと指で文字をなぞっていく氷室さん。赤をなぞったはずなのに消えなくて傍のピンクをなぞれば線が消えた。本当だ、チョークじゃない。
最初に反応した紫原もうげ、って顔してる。血で書かれてる?…血文字、だと…。ちょっと血文字と言う単語に別の物浮かんで内心感動でいっぱい。近くに行って見てみたいけどやっぱりちょっと怖いのですぐには行けない。後でナチュラルに近づけたら行こう。実は絵の具でしたって展開だったら笑える。むしろそうであれ。…そうだとしたら何故此処に絵の具、ってなるんだろうけど。

「大丈夫じゃろうが、一応警戒はしておけ。わしと劉と氷室はピアノから右を調べる。福井と紫原と高尾は左を調べてくれ」

「分かった。おっし、とっととやるぞ」

福井さんの声を先頭に、言われた通りに分かれていく。と言っても調べるって言ったって殆ど楽器ばっかで調べるポイントその一である棚とか見当たらない。あ、調べるポイントってのは今即興で考えました。
まあでも別の音楽室も調べて来てるわけだし大丈夫っしょ。

「んでどうやって調べんのー?」

おい!

「とりあえず楽器の裏とか見ていくぞ。また何か見つかるかもしんねーし」

楽器の裏を見て何か見つかったんですか。とは聞かない。報告内容思い出せば分るからね!どや。…とまあちょっとだけテンションあげたところで私も楽器の方へ向かう。あるのはミニ太鼓がほとんどだけど…裏に何かあるのかな。

「…ん?」

下を覗くためしゃがんで手を地面に付けた時だった。指先に絨毯…あ、ここ絨毯なんだけど、絨毯とは違う感触がして楽器から目線をずらし触れた指先へと移す。
そこには二つ折りにされた古ぼけた紙。…もしかしてあの紙だろうか。紙を摘まんで一先ず福井さんに報告、と持っていく。

「福井さん福井さん、紙見つけました」

「お、はえーな」

「…ありがとうございます?」

「なんで疑問形…。まあいいや。その紙はお前が持っとけ」

「はい」

福井さんが反対側にいる他の人たちにも伝えるとその場を離れる。その背中をなんとなく見送った。特に意味はない。
福井さんが離れたとほぼ同時に紫原が動き、何故か私の元へ。頭上に影が差した時見上げたが首が痛くなった。彼はじーと私…ではなく、多分紙を見つめている。しかし10秒足らずでそっぽ向いて元いた場所に戻って行った。なんだったんだろうね?

それはさておき。切り替えって大事だ、如何なる時も。
福井さんに言われた通り紙をポケットに入れておこう。落とさないように内ポケットでいいかな。私もさっきいた場所に戻って回りを見ておこう。

20150207


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