もう一度キミたちを知る | ナノ
さて行きますか

『お母さん、荷物ってこれくらいでいいかなー?』

「いいんじゃない?ちゃんと確認したんでしょう?忘れものあったら送るから」

『ありがたいけどなるべくそういうのがないと嬉しい…』


運送費かかるからね…。
どうも。絶賛アメリカから日本へ移住準備なうです。
細かいこともちゃんと聞いて荷物の最終確認。それから荷物を日本のあの家へ送って…それから私も行くと言う形になる。
何が必要で何が不必要かも聞いてまたほぼ一から荷物をまとめた。肩が凝った。


「あなたもついに家を出て行くのねー…」

『同居、ってのがあるけどね』

「それでも出て行くには変わりないわ」

『そうだね』

「日時指定しとく?」

『しとく』


荷物を宅配業者の人に預け、そのまま母と二人で寄り道しながらの帰り道。時折寂しそうな顔を見せながら、それでも嬉しそうに話すのだ。


「よかったわね、またみんなと一緒にいれて」

『…うん』


まだ整理がついていない。だって…。
…まぁ、ゆっくり整理していこうとは思ってるんだけどね。


「迷惑かけちゃダメよ」

『せめてそれ見送りの時に言ってよ』


あ、そうだ。せっかくだし、飛行機のチケットも、取っておこう。




◇ ◇ ◇




『よいしょ…』


今日はついに日本へ帰国する日…というかあの家に引っ越す日。
母は見送りに来ると言っていたから来たけど、父も来るとまでは聞いていない。空港前まで送ってくれるものだと思ってた…。
意外だなーと父を見ていたら気付いた父が照れくさそうにはにかみながら言った。


「大事な娘が引っ越すんだ。見送りに行かない父はどこにも居ないよ」


そういう父に何も言えずにただ『…ありがとう』としか言えなかった。
特にこの家に問題があるというわけでもない。ただ父は仕事の忙しさからあまり話せる機会が少ないため、ちょっと緊張してるだけ。父も一緒だったらいいなとは思う。だって自分だけこんなに…ってそれは置いといて。
先も言ったように仕事で忙しい父が空港内まで見送りに来てくれるなんて思ってなかった。来てほしいなーとまでは思ったけど!

とそこまで母と雑談しながらふと時計を見ると動かなきゃいけない時間となった。


『じゃ、そろそろ行くね』


飛行機の時間もあるためそろそろ乗るかと待合席にある椅子から立ち上がる。
父も母も立ち上がりゲートまで一緒に向かう。ゲート前まで来ればここで一時お別れだ。


「元気でね」

『お母さんもね』

「病気だけはしないでね」

『バスケでぶっ飛ばすよ』

「はは」

「ふふ」

『あ、そうだ。これ、日本での住所と電話番号』

「ありがとう」


いけないいけない。忘れるとこだった。
最後に二人とハグしてゲートを潜る。後ろでは心配そうに見守る二人の姿。


『行ってきます!』


振り返って笑顔で手を振る。いってらっしゃいと笑って見送ってくれた。寂しいのは分かるけど暗い顔で見送られちゃ結構来るもんだ。体験はしたことないけどきっときついと思う。あの時、考えたから。

飛行機に乗り込み、次来れるのは夏かなと呑気に考えた。
…月一には連絡しよう。





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空港知らないです…。間違いいっぱいあると思いますがスルーでお願いしますっ。






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