もう一度キミたちを知る | ナノ
予定メール

結果発表のあったその日のうちに帰ってきた私は早速両親に相談した。
答えはok。…ちょっとは否定してほしい。
ともあれ了承はもらったし早めに荷物をまとめよう。後になってバタバタするするのはごめんだ。
赤司君にパソコンの電源を入れるよう言われたのでつけた。恐らくメールしてくるのだろうと予測しずっとパソコンの前にいるわけにもいかないのでメールが来たら音が出るように一時的に設定する。


荷物をダンボールにいくつか入れそれなりの量になった頃、パソコンに一通のメールが来た。と共に流れたお気に入りの音楽。ちょっとテンションが上がる。
パソコンの前に移動しメールを開く。


〈今度、僕が見立てた家を見に行く予定だ。日時と待ち合わせ場所を伝えておく。合わないようだったら早めに言ってくれ。

日時:○月○日、13時に○○駅前にて集合。

それから荷物はまだ持ってこなくていい。〉


と記してあった。なんとわかりやすい。というか「見立てた」…?やっぱり赤司君ただ者じゃないよね。
というか仮に予定が合わなくても私だけ別でもいいんじゃないか。一応その日はフリーなので大丈夫と返信ボタンを押しキーボードを押していく。


《その日は大丈夫だよ。それに仮に合わなくとも私だけ別でもいいんじゃないの?
後日、案内してくれればそれでもいいんじゃ…?》


そこまで打って、誤字がないか一通り確認し送信ボタンを押す。
チラリとまとめた荷物の量を見る。書いてなかったけど家具家電はある程度あると思う。自分の必要な分だけ持っていけばいい…はず。
足りなければ買うか、送ってもらう、か…。でも運送料…。うーん、と考えてるとメールを知らせる音楽が鳴り響く。早い。


〈みんなで一緒に行くから意味があるんだ。解れ。〉

『……ふふ』


全くもう…。分かりましたよ。
《了解》とだけ送って一息。またみんなと会えるんだな。指定された場所にみんなが集まる。昔みたいだと頬が緩む。

というか、私何回日本とアメリカを往復するんだろうね。
金銭の問題が不安だし、今回で日本に行くのはやめよう。大学に行けなくなる…!あと親に悪い。そしてお小遣いが無くなる。
急いで新規メールを作成し、自動的に登録されている赤司君のメアドを選択。


《日本に一時帰国はこれで最後にするね。親にも悪い|》


ここまで書いて指がピタリと止まる。何故最後にする?とか言われそう。いや言いそう。言うかも。
うーんと少し考える。…うーん…。


《…親にも悪いし、それにどっちにしろそっちに住むことになるしね》


…これでいいか!
「送信」ボタンをクリックし、机に飾ってある写真立てを見る。写真の中にはキセキの世代と呼ばれた人たちと一緒に笑う私。それは初めてみんなで全中と一緒に優勝した時の写真。黄瀬君だけいないけど。代わりに隣に黄瀬君と私の写真。どちらもいい笑顔だ。
…もう一度、笑えるかな。あの頃みたいに。
少しギクシャクもするかな。みんなはもう仲直りしたみたいだけど。

私はまだ、知らないんだ。ここ数年の彼らを。
大丈夫かな。そんな中に私が入っても。







なんてそんなの余計な心配だったでしょうか。






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