もう一度キミたちを知る | ナノ
偶然の道端

何故か今日のラッキーアイテムは私らしいので今日一日は緑間君の傍にいなければいけないらしい。今日が休日で本当によかったと思う。学校だったら授業どうするの、って話してただろう。いや、現にさっき話したな。


「そんなのどちらかがそちらの授業に参加すればいい。それだけだ」


だそうだ。簡単に言わないでくれる?
おは朝はあまり見ない派なので…ランニング中か、既に学校に行ってる頃、もしくは用事をしてる時にやってるので、その日のラッキーアイテムは緑間君の口から伝えられる。ちなみに私の今日のラッキーアイテムは腕時計だそうだ。
せっかくなので緑間君から受け取った白を基調とした腕時計を付けて、買い物に行くことに。もちろん緑間君もついてくる。
まだお昼前なので、晩もついでに決めてしまおう。
隣を歩く緑間君の動きがほんの一瞬止まった気がした。それもそのはず、


「あれ?真ちゃん?」


前からハスキーな声が聞こえ、見ると赤司君くらいの背の男の人。あ、この人緑間君と同じ高校の…。


「…高尾か」

「ひっさしぶりー!」


そうそう高尾君。ホークアイを持つ彼。なぜ知ってるか、実は高校一年の頃黒子君が教えてくれた。確か夏だったかな。顔は冬の時にちらっと。
高尾君はニコニコと緑間君に近寄り楽しそうに喋ってる。一方の緑間君は不機嫌そうだが久しぶりに会えたことだし喜んでいるだろう。言葉に棘はない。
せっかくだしここは二人だけにした方がいいと考えた私はそっと後ろに下がった。けどやはり彼は気づいてしまう。


「で真ちゃん。この子彼女さん?」

「ばっ!違うのだよ!」

「え、違うの?仲良さげだったからてっきりそうなのかと思った」

「…彼女は同中で、マネージャーをしていたのだよ」


それだけ聞くと緑間君の前から私の前、つまり緑間君の横に移動してきた。緑間君より一歩斜め後ろにいるからね、私。
というかどうしてマネージャーしてたことしか言わないんだろ…。それだけじゃないのに。


「初めまして!俺高尾和成でっす!真ちゃ、緑間とは同じ高校の同級生だよ」

『あ、卯月優です。中学の同級生です』

「タメだよね?」

『ですよ』


なんというかこの人コミュニケーション上手いんだろうなと思った。たったこれだけだけど、なんとなくわかる。
ものの5分で私たちは打ち解け、アドレスも交換した。火神君の時はバスケした後交換したんだけど。


「でー真ちゃんたち何してんの?」

「買い物なのだよ、バカめ」

「へー。俺も一緒にいい?」

『私は構いませんが…緑間君はどう?』

「…好きにしろ」

「やった!」


高尾君何してたんだろ…。
それから高尾君としばらくお喋りしてました。緑間君は始終拗ねてる様子だったけど。
高尾君と別れてから緑間君に聞いてみた。


『緑間君何をそんなに拗ねてるの?』

「別に拗ねてなどいないのだよ」


絶対拗ねてるんだけど。
とりあえず近くの自販機におしるこがあったのでそっと渡すと顔には出ずとも、周りの空気がほわっとしたのでご機嫌になったらしい。…ちょろい。






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