もう一度キミたちを知る | ナノ
科目選択

今更ながらシェアというのはいろいろと変だけどかなり楽しい。これも多分、みんなだからと言うこともあると思う。いやそれしかない。
話は変わって引っ越してから一週間後。特にこれと言う問題もなく大学の入学式が行われた。
新入生代表の言葉は赤司君だった。細かく言うと赤司君に“した”。この辺は中学の時とあまり変わらない。

式は終わり、今はそれぞれ当てられたクラスにて科目を選んでる最中。この一年で何を学ぶのかを選んでいる。
早い者勝ちだからさっさと選んでしまおう。
ちなみに緑間君と青峰君が同じクラスだった。他は紫原君と黄瀬君と黒子君が一緒で、赤司君だけ一人だそうだ。クラスと言ってもほとんど顔も会わせないけど。最低限の、という感じだそうだ。
つまり赤司君は別に一人じゃない。と、半分赤司君が言っていた。

あと少し…というところで緑間君が左隣にやって来た。
青峰くんは…知らない。ていうか姿が見えない。どこに行った。


「卯月は決まったか?」

『ん、あと一個が決まらないの。何かないかな』

「…これは黄瀬が言ってたことなのだが、」

『うん?』


どこか躊躇いながらその黄瀬君が話していたことを話してくれた。


「それぞれのクラスに向かう前に黄瀬が「一個だけみんな一緒に受けないッスか」と言ってきたのだよ」

『へぇ』

「どうする?」

『え、いいんじゃない?どこにするの?』

「…少し待て」

『わかった』


恐らく大学では中学の時以上に会うのは難しそうだから少しでも会う機会を増やそうという魂胆だろうか。それとも一緒の方が課題も写せるし、という魂胆だろうか。どっちだろう。いやこの際どっちでもいい。できれば前者であってほしい、が、まず朝と夜は一緒にいるじゃん…。一緒に住んでるわけだし。
そういえばこの事は他人には秘密だそうだ。まあ私の場合話す人いないけど、高校の相棒さんたちには教えるだろう。とここまで勝手な推測である。


「今連絡を取ったのだよ。教科はどこでもいいか?」

『いいよ。そっちで決めて』

「わかった」


携帯と睨めっこしてる緑間君。相手は黄瀬君、黒子君、赤司君あたりだろうか。
どこか多く被りがあるならそれでもいいのでは、と持ちかけたがそれはそれ、これはこれ、だそうだ。
わけわからん。

それぞれみんなが取ろうとしている教科をまとめ、いくつか誰もとってない教科が出てくる。論理、情報、美術等々…。赤司君なら論理とか取りそうなイメージなのに。意外。
多数決でどれを取るか決めるらしい。私は情報でいいかなと情報に一票。傍にいない青峰君はお手洗いに行ってたらしく帰っていて早々嫌そうな顔して適当に選んだ。そのあと荷物持って緑間君とは反対、つまり右隣に座る。…そこは普通緑間君の隣じゃないのか。


「…決まったぞ」

『おお…』


多数決の結果情報になった。
…情報って何するのと緑間君聞けばパソコンに関する事ではないのかと言われた。なるほど。


『じゃあ早く提出しに行こうか』

「そうだな」

『青峰君も書いた?』

「…一応」


席を立ち、教壇にいる先生に受講希望用紙を出し数分待つ。なんとか受理されその日のうちに教科書をもらうため鞄を持って教室を後にした。ちなみに教科書を受け取ったら今日はもう帰っていいらしい。
廊下にはすでに私たちと同じように教科書を受け取ろうと少ないが人が集まっていた。
中でも強烈な色がちらほら…。


「あ、卯月ちん」


私たちにいち早く気付いた紫原君がたたっと駆け寄ってくる。それに続くように他のメンバーも気付いてこっちに来た。
一名すごい勢いで来たのをそっとかわしながら合流する。


『早いね』

「俺さっき来たとこ〜」

「卯月さんたちも早いですね。青峰君起きてました?」

「なんとかな。初っ端からいなくなっていたが」

「あれはトイレだって」

『ということです』

「ならいいです」


いいのかよ。
それはそうとさっきから全く動きがない。ああ、えと来て少しは時間が経ってるはずなのに他の生徒が一向に減らない。じわじわ増えつつあるが…。
先生の動きが全く見えない。どうしよう…。


「…一向に進まないのだよ」


緑間君がしびれを切らし思ってることを口に出した。本当だねと言いたいがここまで何もないと何かあったのだろうかと心配になる。
ロビー辺りにでも行くか?


「その必要はなさそうだ」


まだ行動にも出さず頭だけで考えていたところを赤司君がそれを制した。まるで私の考えてることが分かってるようですね。…おかしいなぁ…。
私の視線に気付いた赤司君は「顔を見てればわかる」と言った。私そんなに分かりやすかったっけ?と聞くと何年一緒にいたと思ってる、と言われてしまった。そうですね、ざっと6,7年でしょうか。


『あ、やっと動いたね』


ちらちらと生徒たちが帰っていく。持ってきていた鞄を重そうに持って帰ってたり、または特に平気な顔して帰る人も。
教師たちも忙しそうに動いている。その間にも生徒は増える増える…。
けどやはり遅い…かも。


「…少し言ってくるよ」


赤司君がそう言い残し先頭の方へ向かって行った。さっきまで若干イラついていた様子だったから多分怖いと思う。
1分も経たずに戻ってきた時にはとてもいい笑顔の赤司君と死に物狂いで動く教師たちが赤司君の後ろで見えた…。



…お昼はどうしようかなぁ…。




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大学に関しては全く分からないんで私の通う高校を参考にしました。
何故書いたし、って言われそう。全くですね。





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