もう一度キミたちを知る | ナノ
初の朝ですよ

ジリリリリといううるさい音が部屋中に響く。自然と音の鳴る方へ手が伸び目覚ましを止める。

……………………。

まだ、眠いなぁ…。
もぞもぞと布団から目覚ましの針を見る。


『…6時35分…』


ふっと部屋を見渡せば見慣れない風景。…そういえば昨日から日本にいるんだっけ。しかもみんなと住むんだっけ。


『…あ』


両サイドにちびっ子コンビ人いるんだった。目覚ましで起こしてないだろうか。赤司君低血圧っぽいし…。知らないけど。とりあえず起きよう。昨日寝る前に赤司君に和食にしてくれと頼まれているし。あ、ご飯も炊かなきゃ。メニューはご飯、みそ汁…魚あったっけ。出来上がったらランニングと。
考えながらもそもそと布団から出て着替えてその他もろもろ…。

1階に降りるとまだそんなに太陽は昇ってないがほんのり明るくてテーブルや床が照らされて綺麗に見えた。実際綺麗だけどね。はっとし、いかんいかんと首を振り台所へと足を運ぶ。
まず米を磨いで適量に水を入れスイッチを押す。次にみそ汁を作る。そういえば具は何がいいか聞いてなかったな…。口に合うといいがやはり不安。まずかったら言ってもらおう。人それぞれ味覚も違うだろうしそれぞれいける口に合わせなくては。とりあえずお湯を沸かして次に豆腐を切って油揚げを袋ごと切って、ネギも切って…盛り付け用。
お湯が沸くまでもう少し時間ありそうなのでサラダも作っちゃえ。


約15分で朝食は完成。あとは盛り付ければそれでよし。思った以上に時間かかっちゃったなーと思いつつ、初日だしなーとも思いつつ。全く悪びれていない。
さて、私はランニングに行こう。降りる時に持ってきてたタオルを持って玄関へ向かう。靴を履いてるときに部屋の奥からガタっと音がしたが気にしないでおこう。誰かが起きたんだろうし。扉を開ければそれなりに明るくなった朝日を浴びながらこの辺りを探検とランニングを開始。

走ってる間にたくさんのものを発見した。
高級そうなマンション。小さな公園。ご近所さんがとても仲の良い事。そして何よりストバスがあったこと。
時間あればここでこっそりバスケ出来そうだなー。

漸く家が見えるほどの距離になったところで後ろから予期せぬ声。


「っ、早いな、優」

『へ、』


振り向き、そこにいたのは赤司くんでした。
何故かかなり息切れしている…。え?


『おはよう…赤司君も早いね。…なんでそんなに息切らしてるの?』

「…ほっとけ」


ふいっと顔を逸らされてしまった。なんかこんな赤司君ちょっと新鮮。
息切れの原因について少し考えてみる。…長いこと走ったのだろうか。それとも速く走り過ぎちゃった?無いな、赤司君に限ってそんなこと。
よく分からないけどまま隣に移動してきた赤司君。ちょっと辛そう。


「そう言えば優とこうして走るのは久しぶりだな」

『あ、そうだねー』


帝光中バスケットボール。そこに私も所属していたし走り込みとか一緒に走ったもんだ。主将の赤司君命令で走らされただけだけど。
ずっと立ってた私にはちょうどよかったけど。


『でも赤司君とこうして隣で走ると言うのは初めてだよね?』

「確かにそうだな」


一緒に走ったけど横を見れば赤司君がいたということはなかった。
そのまま話は続くことなく黙々と走ること数分。家まであと数メートルになったところで突然腕を引かれる。


『!?』


急すぎてそのまま成すがままになってしまい、ぽすんと誰かの胸に治まる。誰かとは言った横に引っ張られただけだし、尚且つ横には赤司君しかいなかったし。つまり赤司君が腕を引っ張ったということになる…が。


『…えーと…赤司君?どうしたの?』

「……優は鈍感だな」

『ん?うん、よく言われるけど?てか離して』


言えばすんなり離しそのまま走って行った。本当、どうしたんだか。
私も後に続くように走り出す。あーバスケしたい。



◇ ◇ ◇



「卯月っち!おはよッス!」

『おはよう。早いね』

「卯月っちには負けるッス」

『黒子君もおはよう。すごい寝癖だね…』

「おはようございます…。これはいつものことです」

「真太郎、敦はどうだ」

「全く起きないのだよ…」

「そうか。みんなは先に食べててくれ。僕は敦を起こしに行く」

『はあ。いってらっしゃいー』


家について軽くシャワー浴びてリビングに戻ると黄瀬君と青峰君がソファに座ってテレビ見てて、私に気付いた黄瀬君が飛びかかってきた。今度は受け止めたけど。
青峰君はテレビ見てるのかと思いきや二度寝してた。けど、私の後にシャワーを浴びに行った赤司君が戻ってきて青峰君を起こすのに1秒も掛からなかった。赤司君すごい。

7時38分。続々とみんなが下りてくる。みそ汁など温め直してる間に赤司君が紫原君を連れて降りてきた。予想よりも早いんだけど。
出来上がったものを運ぶのを手伝ってくれた黄瀬君と黒子君。おかげで二人が席に着いた時には食べれるくらいにまでなった。


『赤司君のリクエストで和食にしてみました。口に合わなかったらごめんなさい』


いただきますをしてみんなが一口食べていく。
不安でいっぱいだったけど次々においしいと言ってくれて安心した私はよかったと、ご飯を食べ始めた。


『味大丈夫?』

「大丈夫ッス!」

「悪くないのだよ」

『本当?他にも入れてほしい具とかあったら言ってね』

「なんでもいいよ、んなもん」

「芋類入れるとおいしいですよ」

「豆腐だらけだったらいいのにね」

「お菓子入れてみてよ〜」

『さすがにお菓子は無理だよ』

「えー」


お菓子以外をメモしてまた食べ始める。意外とリクエスト多くてびっくりしたけど。
最初に全て平らげた赤司君が食器を片づけた後、出かける準備しとけよとだけ言うと自室へ行ってしまった。階段上がっただけだけど自室以外、他に行くところもないだろう。
私も食べ終わり食器洗いに専念。さっさと洗って自分も準備せねば。


「これで最後です。僕も手伝います」

『ありがとう』


最後まで食べてた黒子君が食器を持ってくる。その後黒子君の手伝いもあり、予想より早く終わって私も準備に取り掛かる。
いつの間にか準備を終えた緑間君がテレビ前にいたのには吃驚したがすぐおは朝占いを思い出し今も続いてるんだと小さく笑ってしまった。


「黄瀬ェ、さっさとしろやぁ」

「ま、待ってくださいッス!変装ちゃんとしとかないと…!」

「黄瀬君早くしてください」

『その服装だと絶対バレるね』

「黄瀬、今日のお前のラッキーアイテムはカツラなのだよ。これでも被っとけ」

「みどちんナイス〜」

「さすが真太郎だ」

「…ってこれ…ぶは!!」

「み、緑間君ナイスです…っ」

『っ…、あ、アフロ…っ』


黄瀬君のせいで予定よりかなり遅れたことはファンのために秘密にしておこう。







「もう言っちゃってるッス!!」

『えーなんのことでしょー』






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