真実を欲して | ナノ


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パンドラという組織はアヴィスの核と言われてるアヴィスの意志を手に入れようと必死だ。そしてその前にバスカヴィルの持つ5つ目の扉を手に入れなければいけない。今のところその5つ目の扉の在り処はわからない。
同時にアヴィスの意志の従者――所詮噂だが――を探している。もしかすると扉よりも、そちらを見つけた方が早いのではないか、と。

――アヴィスの意志には従者ような者がいる。

誰かが流した噂がここまでパンドラを動揺させるとは思わなかっただろう。
ましてやそれが本当かもどうかも分からないままずっと踊らされている。

まさか、そのような者が組織にいるなんて誰も予想していないだろう。



◇ ◇ ◇



『広い…ここどこ…』


お屋敷っぽいお屋敷の広間に出た。何気に日差しが暖かい気もする。時々彼女がニコニコとやってくるし、と思えばヤバいのもいる。捕まったらヤバそうなのでそういうのから逃げまくっているとどこか遠くからオルゴールの音がする。
その音をただ聞いてると少し泣きそう。切なくて、でも込み上げるこの気持ちは。なんと名付けようか。

愛おしいのに、近寄りたくない。

逃げるように音が聞こえないようにその場から逃げた。メロディが聞こえないように。



◇ ◇ ◇



とある個室でチェスをしながら何やら内密な話をしている人影があった。


「アヴィスの使者…赤い死神…。今でも伝承の中にその名を残してはいますが…、“彼ら”の存在を正しく言い表すならこうです。
四大公爵家によって倒された「バスカヴィル家」の者達…と」


一人は金髪にオッドアイの青年。


「その事実を知る者はほとんどいないでしょう。…そもそもバスカヴィルという一族自体が決して表舞台に現れることのない存在でした」


もう一人は茶髪の眼鏡の青年。


「ああ、数少ない記録にはそう残っているな。「サブリエの悲劇」…100年前…かつての首都サブリエがバスカヴィルの手によってアヴィスへと堕とされた」


そしていつか見た金髪で眼鏡をかけた叔父、オスカー。


「…パンドラの目的はアヴィスの意志を手に入れること。そのためにはバスカヴィルの持つ5つ目の扉を手に入れること。もしくは――」


――噂のアヴィスの従者を捕えること。


「パンドラもバスカヴィルも求めるものは同じアヴィスの意志。ならば彼らも四大公爵家が所有する扉を奪いにくることでしょうね…。しかし従者がそれを邪魔するでしょう。パンドラが最後の扉を手に入れる…その時が我々にとっての勝利<チェックメイト>です…!」


この勝負はオスカーの敗北に終わった。



◇ ◇ ◇



場所は変わってチェシャの住処。
ギルバートは広い庭の様な所に飛ばされてきた。というのもつい数十分前チェシャ猫に切り刻まれた、のに既に血は止まっている。
主人の元へ行く為出口を探すギルバート。しかし歩いても歩いても同じ道の繰り返し。
どうすればいいと考えていると少し遠くに歪んでしまったアリスの記憶の中のアリスが姿を出した。すぐに銃を構えようとするが先程のように襲っては来ず、どこか様子が違う。
ふと、数日前のとある男との会話を思い出した。


「おいブレイク、“アレ”は一体なんなんだ?なぜあいつだけがあんな<少女の>姿をしている。どうして…あいつはあんなにも人間に近い――!!」

「…まぁ…人の姿をとるチェインなら他にも知っていますが…」

「なに…?」

「確かにあの少女と黒うさぎ…どちらが本当のアリス≠ネんだろうねぇ…?…それに、あの子も…」

「…?」

「とにかく、まだあの子を殺すことは許さないヨ。彼女も恐らく100年前の当事者だ…。その記憶の中に私が求める真実があるかもしれない」



思い出しながら記憶の中のアリスを追い掛けていたが見失ってしまった。するとどこからかオルゴールの音色が聞こえてくる。


「それに…君達が会ったと言う青年の正体もわかるかもしれないからネ――…」

「やあ、ギルバート」

声のした後ろへ振り向くと金の髪に翆玉の瞳を持った青年がそこにいた。
その人はジャック・ベザリウスと名乗った。



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書きたいとこだけ書きました。かなりグダグダですね。
あと沢山省略しました。




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