真実を欲して | ナノ


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『多分この辺りに…あ、いた』


適当に降りてからその存在を探す。
女の勘とはすごいものですぐに見つけることが出来た。


さてどうしようか。
叩き起こしてこの階にいるはずのあっちの子に届ける?

まぁいいや。起こすか。このまま待つのもいいがいつチェインが来るか分からないし。

そこらにあった棒を拾い、うつ伏せに倒れてる彼を突く。


つんつん。


「…………」

『…………』


起きない。

もう一度。


つんつん。


「…………」


これでも起きないか…なら。


つんつん。


「……う…」


脇を突いてみた。
顔は横に向いてるためこちらからでも起きたか確認できる。
っと、起きたみたい。


「…あれ…ここは…」

『おはよう。遅い目覚めね。ここはアヴィス。覚えてる?君、堕とされんだよ』

「!?」


ゆっくりと起き上がり呟いた言葉にまさか帰って来るとは思ってなかっただろう。
私もだ。まさか呟くとは思ってなかった。結果返す形になっちゃたけど。


「君は?」

『案内人』

「…ふーん」


あまりここで暴露しちゃうのもアレだから、今は案内人で。
実際君をあっちの子の近くまで届ける気だけど。
一人じゃ危ないからね。

なんだろう、さっきから感じるこの視線は。
犯人はすぐわかる。だって目の前にいる子くらいしか人いないし。
顔は見えないような姿してるから見られるのもおかしくはない、か…。
それにしても人を疑う様なこの視線…あまりいいものじゃないね。
…気持ち悪い。


『じゃ…行きましょうか』

「どこに?」

『行けばわかるよ、多分』


とりあえず手を差し出し、立たせる。そのまま手を繋いだまま私が先導する。


…後ろから感じる視線が痛い。




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