その人は私の
no.(02 / 22)  

小さい頃からずっと一緒にいて、お出掛けもお風呂もお昼寝も本を読むときもご飯食べる時も、いつだって私の隣にはその人がいた。
振り向くと優しく微笑んでくれるし、私が悲しい時はいつだって傍に居てくれた。
相談事はまず最初にその人に言うし、その人も真剣に答えてくれる。別に私ばかりが頼ってたわけじゃない。向こうもたまに聞いてくるし、甘えてだってくる。滅多に見せない顔も私にだけ見せてくれるし、自分に厳しくて優しくて。もちろん私にも厳しかったり。
今じゃすっかり私もその人のようになってしまった。


そして月日は流れ私たちは中学生になった。
お互い違う部活にも入り、それなりに充実もしていた。どちらも運動部なので夏に合宿とかもあり、たまにすれ違うだけとか会話すらない日だってあった。





突然だが恋をした。



でもその相手は私の兄だと言うことが、今の私の最大の問題だった。
まさか私が、双子の兄である征十郎に恋するなんて。誰が予想したと思う?

小さい頃からずっと一緒にいて、お出掛けも、お風呂も、お昼寝も、本を読む時も、ご飯食べる時も、いつも私の隣にいた双子の兄、赤司征十郎その人に。



ずっと一緒にいてずっと顔も話もして来たのに今はそれすらも出来なくなってしまう程。


気付けば自然と距離が出来てしまった中一の冬。
その時から、元には戻れないとどこかで確信していた。


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