今日は10月31日。世間は「ハロウィン」という行事の様なもので賑わっている。私も一応そのうちの一人で、朝から近所の子らに配るお菓子作りで忙しい。現在時刻午後6時。オズくんやアリスちゃんが来る時間まであと約1時間。だが肝心なことにまだお菓子が出来上がってないと言う事態。恐らく大丈夫だとは思うが余裕で間に合わせたいところ。
と同時に無関係でお邪魔な大人が一名。現在リビングのソファでくつろいでいる。
「…なまえサン、ワタシの顔に何かついてマス?」
『いいえ?なにも』
そう、彼…ザークシーズ・ブレイクという大の大人が私にお菓子をねだるのだ。それも朝からずっと。一応彼とはほぼ同期で良きライバル…みたいなもんではあるが、大の甘党で困ってる。もう何度目このセリフを言ったものか…数えられないくらい。
『何度も言うけど、ここにあなたにあげるお菓子はないわよ』
「わかってますヨ」
『ならさっさと出てけや』
「急に怖くなりますネェ…」
気のせいよ、と軽やかに言うが後ろからの視線は痛いものだ。全く…どこのガキだか…。これで私よりも年上って言うから信じられないよねえ。
午後6時19分、子供たちに配れるようにはなった。あとはオズくんたちが来るのを待つだけ。来たその後に近所の子供たちに配れば…いいかな。とりあえず今は閉まっておこう…と振り向くとまだそこにいるブレイク。
『…いつまでいる気?』
「くれるまでずっとデス」
『あなたにあげる物はないです。帰れ』
「嫌デスー」
私が作り始めたのは9時半頃。その5分後に何処からともなくやってきたブレイク。ざっと9時間近くここにいることになる。ご苦労なことだ。暇ではないでしょうに、暇なフリをする。…いや違うな、ただ仕事の放棄。あとが大変だと知っていながらずっとこうなんだもんな。
とにかく、オズくんたちが来るまでにこいつは本部に戻っていただきたい。さっさと仕事しやがれ。レイムさんの身にもなってみやがれ。彼ずっと頑張ってんだぞ。どうしよう…強行手段を取るか。
『こうなればさっさとお帰りになってもらおう』
「君に出来ますかネェ?」
『もちろんよ。私とあなたの実力はほぼ互角。そうで、しょ!!』
「!?」
言葉を最後まで言い切る前に懐に合った少し短い刀を取り出し、彼に飛びかかる。
その結果、