そう遠くないはずの記憶を思い返し、ふと現実に戻ると赤司君はずっとこちらを見ていた。目が合うと「何を考えていた?」と尋ねてきた。…君の事、とは言えない。
『昔の事』
昔と言っても今じゃ前世になるのだろうか。でも生まれたーって記憶はないから…あれどうなんだろう。
今はなにもないけど、また同じようなことが起こったらどうしよう。今度は、同じ死に方でもした方が、いいのかな。
もう二度とあんな思いはしたくない。またこうやって生きるのも嫌になるだろう。さすがに二度はないと思うけど。
「なあみょうじ」
『ん?』
「いつでもいい。お前の事、話してくれ」
『…うん。ありがとう』
すべて見抜かれてるような分かったような目で言ってくる。そういえば付き合い始めた時もそんなこと言われたな。あの時は苦笑いでしか返せなかったけど。
今は心の準備をしようと笑って答えれる。
話せば楽になるかな、もう夢に出てくることはないだろうか。
けど話したらどう思うだろう。頭のおかしい人と思われるかな。
でも赤司くんなら受け入れてくれるような、そんな気がする。
朝までまだ時間はある。
『寝よっか』
「そうだな。おやすみみょうじ」
『おやすみ、赤司くん』
赤司くんの表情は私が返事したあの時と少し似た柔らかい笑み。私はそれを見てから眠りについた。
ずっと傍にいてほしい。もう悪夢を見ないようにさ。
夢の中まで一緒にいて
(あなたとなら幸せな夢が見れそうな気がするの)
thanks:天使祝詞
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修正 5/12
ちょっと訳分からんですね。