『またやったの?』
「別にいいじゃないですか。当然の報いです」
『酷いなあ…』
目の前にある無残なそれを見て彼女は呟いた。何が酷いんですか、当然のことを僕はしただけなのに。何度もこういうことはしている。けれど彼女はいつだって苦笑いしかしない。
「なまえだって悪いんです。赤司くんばかり頼って…」
「テツヤに言ったら、いつもこれだもの」
私もうテツヤにこんなことさせたくないし、見たくもないと伏せ目がちに彼女は言う。
嬉しいです。僕のこと思っててくれたんですね。僕も正直やりたくないです。と彼女に答える。
『ならやらなきゃいいのに』
最初こそ、この光景に彼女は気を失った。けれど回数を重ねれば重ねる程慣れてきたようで今じゃ彼女は普通に喋ってる。けれど僕は知ってる。分かってるんです。彼女が心の奥でずっと謝っていること。
「なまえが素直に言ってくれたらもうしませんよ」
『…本当かな』
本当です、と彼女の目を見て言った。暗くて分かりずらいが、なんとなく今目が合っている気がする。彼女もそれをなんとなく感じ取ったか、小さな溜め息が聞こえた。今きっと呆れた表情してる。
『もう行こ。…吐きそう』
「それは大変です。早く行きましょう」
『うん。……………う』
気分の優れなかった彼女は結局吐いてしまったが、何のプライドか出さなかった。
でもすみません。先程の約束は守れそうにないんです。でもあまり嫌われたくないのでなるべく善処します。頑張って目だけにしようと思います。君を見るのは僕だけでいいんですから。
彼女の背中を擦りながら悪い虫が寄らない様対策を立てる僕はやはりおかしいですか。
でも信じてください。僕は君を愛してるんです。
きみは何も考えなくていい
thanks:確かに恋だった
***
修正 4/24
お昼、すれ違った人の肩がぶつかって持っていたトレイが落ちちゃってご飯がパアになるという。