早くも放課後を迎え早足で約束の場所まで行った。
まだ来てないか、そう思ったがどうやら既に来ていた。さっきチャイムなったよね…?いつ来たの!?まさか終わる前に来ていたの、か…?……サボったのかな。
兎にも角にもなんとなくそれっぽかったのでそれっぽい台詞を吐いてみた。
「ごめん!待った?」
「別に」
ですよね!
冷たく言い放つ青峰くんの台詞に転けそうになるがそれってよく考えたら芸人さんがやることだと思い留まった。
まあ予想道理ですよ。問題ない。
顔を上げると視界に入ったソレ。驚き目を見開いてそのまま見てるとそれに気づいた青峰くんがダルそうに「練習すんだろ」と小さく呟いた。その言葉にも驚いたが今度は自然と笑って「うん!」と答えた。
「どこでやるんだよ」
『第4体育館なら使ってもいいぞって赤司くんが』
「んじゃ行くか」
そそくさと言ってしまう青峰くんに待ってと言いながら着いていく。ていうかちょ、割と早い!
「なんでまた、パス練習なんだよ」
『不満?』
「…いや。まあ」
念のため軽くストレッチをしてると横からそう飛んできた。なんだよ不満なのか。悪かったな、君がバスケをしてくれないからでしょ!…とは言えず。
『授業でね、今度バスケするの。私パスがどうも苦手でさ、青峰くんに付き合ってもらおうと』
「別に俺じゃなくていーだろ」
『青峰くん最近練習に来ないって黒子くんが泣いてたよ』
「1on1もそういうことか」
『……違うよ』
まだ聞いてきそうな雰囲気だったのでこれ以上はもういいとボールを奪ってコートに入る。一度バウンドさせるとざわりと入口が騒いできた。バスケ部の人たちかな。だとしたら休憩中…はないか、まだ少し先。だとしたら一部の人がここに来てたりするのかな。
『見て見て青峰くん!』
言って彼がこちらを見たのを確認しながら人差し指の上でボールを回して見せた。青峰くんは「出来るようになったのか」と驚き半分に褒めてくれた。練習したかいがあったな!
『ね、大輝』
「ん?うお!?」
力強くボールを青峰くんに投げる。が見事な反射神経でギリギリ受け取った。「ごめんごめん」と小さく謝って青峰くんを見上げる。どうやらコートに入ってきたようだ。
これでもし笑ってたら…と昔と今の青峰くんを無意識に重ね合わせてた。
『適当にパス頂戴!』
少し距離を入れたりちょっと変わったパス方向だったり。私は正直これだけでも楽しかった。でも青峰くんを見ると笑ってないのはしょうがない。
でもいつか、近いうち。絶対青峰くんと1on1して青峰くんを負か…すことは無理だろうけどちょっとでも笑ってもらえるようなプレーをするよ私は。絶対に!
私がどれだけ練習してきたか、思い知らせてやるんだから!
『大輝!今度は私と1on1しよ!』
「うるせー。……いつかな」
『今週!』
「…日曜なら」
『!!』
たったひとつの触れる方法
(これなら君の心までいけるか)
thanks:確かに恋だった
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修正 4/20
実は最強主だったり。まだ発展途上。