急いで逃げろ!

「エレンくんはそこに座って見てて」

「あ、はい。あのなまえさん何処に行かれるんですか?」

「ん?自室だけど」

「あ?お前もここにいろ」

「嫌です!ではハンジさんお願いします」

「ほーい。んじゃーリヴァイはここに来てね――」

ぱたん。なんだか子供の世話をしてる気分だ。預かり所みたいな。兵長が子供でエレンくんがその兄みたいな感じがするけどもうそれでいいや。
ハンジさんの部屋を出た私は早速自室に入り、上着は脱いでボタンを少し外して楽な格好へ。そしてベッドに潜り込んだ。はあ、一時間だけでいい、寝る。



目を開けると明るい空の下。
お日様は眩しい。
あんな空は見たことなくて暫く眺めた。
結構な時間そうしていたらしい。
ていうか夕方になるまで気づかなかった。
いつの間に夕方になったのだろうか…。
隣に人がいた。
静かに目を伏せて寝ているのかと思ってしまう。
いつだったか見たことあるようなないような。
日向ぼっこか。
と隣人は言う。あなたは誰。顔は見えない。

「バカ言え、見えてるだろう」



目を開けた。見慣れた天井、見慣れた部屋。
夢だった。ちょっと残念だと思い寝返りをうった。すると近くのソファにエレンくんがいた。ので、ビックリして声もでなかった。エレンくんは私が起きたことを確認すると近づいてきてこそっと耳打ちをするかのように少し小さめの声で話す。

「おはようございます、すみません、勝手に入ってしまって」

「うーうん?なにもしなければ別に構わないよ?どうか…した?」

やけに深刻そうな顔をするエレンくんに、少し嫌な予感がした。なんというかこれから起こることについて、だが。

「単刀直入に言います。…兵長を元に戻す実験の結果ですが…」

そこで一旦切り少し溜めて決心したように口を開く。
この時思った。やっぱ言わないで、って。

「…実験の結果、失敗し、猫耳がついてしまったんです」

「……はぁ?」

これでも一応寝起きだから聞き間違えたのかともう一回言ってとお願いすると同じ言葉が繰り返された。マジですかエレンくんよ。

「…それ尻尾もあるの?」

「あります」

「兵長は何処に?」

「…ハンジさんを駆逐中です」

「それはいつのことだい?」

「約10分前です」

「よぉーしちょっと逃げてくるわ!」

エレンくんの回答を聞くな否や即座に起き上がりベッドから降りてベルトをつけ立体起動装置をつける。ガスは満タン、装備よし、窓よし!

「エレンくんも早く逃げなよ!」

「え?!」

「とばっちり来るかも!」

「ええ!?」

それだけ言うと窓から飛び降り立体起動で飛んでいった。
そのあとのエレンくんは知りません。無事だといいです。まる。



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