忙しいなぁもう

移動方法は肩に乗せたり頭に乗せたり手の上に乗ったり。食事方法は大体パンの5分の一程度。水はおちょこくらいのがちょうどいいみたい。
エルヴィン団長も兵長が小さくなったと聞いた時はすごく驚いてたけど、協力はすると言っていた。色々と大変だろうなとは思う。でもその前に兵長には悪いが、一生懸命頑張ってる兵長がすごく可愛い。

例えばパンだったら千切れないから私が適当に小さく(でも少し大きく)千切って兵長に渡す。兵長はそれを受け取り、もひもひと食べる。ペトラさんなんて声にならない悲鳴をあげたくらいだ。おちょこくらいの器も持つのも大変そうで、若干プルプルと震えながらではあるが飲む。でも飲んだ後は雰囲気がすこし柔らかくてまるで達成感に満ちているというか…。このような様子にリヴァイ班は完全に堕ちたのであった。
ハンジさんはそんな兵長を見て声を押し殺して笑っている。横で。なう、です。

「兵長、次はなに食べます?」

「パン」

「はいどうぞ」

「ん」

またパンを一千切りに千切って兵長に渡す。兵長はまたもひもひ…は可愛いからもぐもぐと食べ出した。これも可愛いな。仕方ない。
あ、一応手は綺麗にしてあるから手渡しで大丈夫なんだよ。兵長が小さくなってからは以前より掃除や手洗いなどの回数が増えた気がする。おかげで部屋がずっと綺麗なままである。兵長の部屋の掃除も任されている私って…。いやエレンくんも一緒だけどね。

「なまえさんも食べてくださいよ」

「食べたよー」

「…残ってますけど」

「後で食べるのー」

兵長は椅子なんか座れないので机の上で食べている。ハンジさんは私の隣で、エレンくんは私と向かいの席にいる。見とかなきゃいけなくなったからねー。目の届く範囲にいてもらわなきゃ。もう周りの視線とか気にしない。

「ハンジさんは笑ってないで早く元に戻す方法を考えてくださいよ」

「分かってるってー。さっきもやってたけど全然ダメだわ、はは」

「元に戻ったら覚悟しとけよ…」

「怖いなぁもう」

それでもケラケラ笑っている辺り、さほど怖いと思っていないんじゃないか。
それとも元に戻るまで今うちに笑える時は笑っとけって感じ?
ハンジさんを睨みつつもパンを食べ終えた兵長は私の食べ終わり待ちとなった。あ、忘れてた。エレンくんは…もう食べ終わりそうね。

「早くしろなまえ」

「はーい」



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