かくかくしかじか

研究室のドアを開けたらエレンくんがちょうど開けようとしてたみたいで目の前にいた。兵長を見た途端、元々大きな目を更に大きくして――削がれかけてた。まぁ、冗談はさておき。
今私はとても逃げたいのである。

「さっさと戻せ」

「無理☆」

あ、これ本当に無理な顔だわ。兵長だってそれを分ってるはず。眉はピクリと動いたけど戻せ戻せって。
とりあえず耳元でギャーギャーうるさいんですけど。兵長そこに置いてどっか行ってもいいですかね。

「あの…」

「ん?」

「なんでオレまで巻き添えなんです?」

「私を一人にする気かこの野郎!」

「す、すみません!」

兵長とは反対側にいるエレンくん。彼は兵長の機嫌の悪さを見て即座に逃げようとしていたので一人にするなッ!という思いで腕の袖を掴んでそれっきり。そのうち腕に移動します。滑りそう。
それにしても耳元でうるさいなー…。いや兵長可愛いんですけどね。ちょっと助け舟というかなんか言ってみよう。

「珍しいですね、ハンジさんが治す方法が分からないなんて」

「あーうん、まぁねー」

あ、これわざとだな(確信)
兵長がハンジさんの元に飛んで行ったので今のうちに退散ッ!エレンくんごとハンジさんの部屋もとい研究室をダッシュで出た。
あ、そういえば。

「勝手に連れ出してきちゃったけど大丈夫だった?」

「え、あ、はい。大丈夫です」

「そっか」

よかったよかった。もしあそこに用があるならまた引き返さないといけないもんね、エレンくんが。私は行かないよ。
暫くして隣のエレンくんが袖を引っ張ってきた。

「一つ聞いてもいいですか?」

「答えれる範囲なら」

「…兵長どうしちゃったんですか…?」

やはりエレンくん聞いて来たね。私は簡単に説明した。
というかあの会話で分からなかったなんて…、なんて思ってないよ!



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