小さくたって兵長

たまたま偶然ハンジさんに見つかって「リヴァイ探して来て☆」と半場強制的に言われたから、まぁまずは兵長の部屋に来たよ。ノックをして、返事はなかったけど留守かと念のためドアを開けてまず目に入ったのが…。

「……」

小さくて見えずらいが、兵長そっくりのフィギュア。それが兵長の机に座ってじっと私を見ている。どれくらいの高さなのかは座ってるからわからないけど恐らく15,6pくらいでいいと思う。小さいなあ。
そんなフィギュアをじっと見返してたら目が合ったような気がした。んなアホな。ここにいても仕方ないね。

「…兵長探してきまっす」

「おい待て」

回れ右したら声がした。それもあの小さなフィギュアがある方から。その声は確かに兵長のものだったので慌てて部屋を見渡すが、どこにも兵長の姿はない。あるのは小さなそれ。おかしいなあ。そういやハンジさん妙にご機嫌だったなぁ。まるで実験が成功した時みたいで。何の実験をしたんだろうか。ちょっとあのテンションに乗っかってみよう。

「兵長ー隠れてるんですかー?姿が見えませんよー」

「ここだ。目の前にいるだろう」

「目の前?あは、兵長からかってるんですね。目の前にあるのは兵長のフィギュアですよ。かーわいー」

「……」

「それで兵長どこにいらっしゃるんですかー」

「削ぐぞ」

「ごめんなさい」

どうやら本物?でした。ごめんなさい。
急いで土下座して許しを請う。ちょっとハンジさんみたいにテンションあげてみただけですってば…。
さて私なりに気になったところから聞いてみよう。

「なんでこんな姿になってるんですか」

「ハンジの実験に無理矢理付き合わされた」

「マジっすか」

「マジだ」

「ハンジさんぐっじょぶですね」

「は?」

「何でもねーですよ。兵長これからどうします?」

「そうだな。取り合えず肩に乗せてくれ。移動も困難だ」

「お安いご用ですー。まずどこに行きますかー?」

「クソメガネのとこでいいだろう」

「…了解です」

肩に乗せて落ちない様最善の注意を払いながらハンジさんのいるであろう研究室に向かった。落ちないでくださいね兵長。

もしかしなくてもあの上機嫌の原因はこれじゃないだろうかと考え着いてしまった。




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