登校現場を目撃!

今日は何の因果か、通学路で黄瀬と会ってしまった。会うやいなや1on1しよとか。…さっきからずっとこればっかでうぜえ。

「あれ、赤司くん…とみょうじさん?」

隣にいたテツが前を見て呟いた。赤司がこの時間帯にいることも気になるがみょうじと一緒だと…!?みょうじと言ったらおめー、赤司を唯一笑わせれる天才だぞ…?テツと組んだら死ぬ。腹筋が。
そんくらいすげー笑いのセンス持ってる奴が赤司と一緒に登校!?横にいる黄瀬からテツの視線を便りに前を見た。10メートルくらい先に赤司たちはいて、赤司は笑っていた。テツ曰く、あれでも堪えてる方だと。

「みょうじっち何話してんスかね…」

「どうせしょうもないことですよ。…そう言えばこの回りの人たち、バスケ部の人たちじゃありませんか?」

テツがすごいことに気づいた。一軍メンバーのやつくらいしか知らねえけどなんとなく見たことはある顔のやつらがちらほらいた。
みんなの視線は赤司とみょうじに注がれていて、多分「あの赤司が笑ってる!?」だとか「隣の女は誰だ!?」とかだろうな。っと端っこの方によからぬことを思ってる奴がいるわ。後で締める。
テツと話し合った結果もう少し近くに行こうと数メートル近づいた。ある程度近づくと声がはっきりと聞こえる。周りの奴らが小さく話してるのもあるだろう。

「んでね、そこで将軍様がやっと来たんだけど、周りの状況を見るなり怒りだして刀を抜いたの」

「まぁ抜くだろうな。それで?」

「怪我を負ってるものは治療、残りは一緒に探すように命じてあちこち探したわ」

しょうぐん?かたな?何の話をしているんだ?ちんぷんかんな俺と黄瀬にテツは小さな声で「昨日やってた時代劇だと思いますよ」と教えてくれた。なるほど、わからん。
黄瀬は「意外、みょうじっちって時代劇見るんスね」と驚いてた。あれか、しょーぐんさまとか出るやつか。

「でも奴はとあるとこに隠れてて見つかるわけない。将軍様も気付くはずがない」

「ふむ…」

「さてここでクイズです!奴はどこに隠れたでしょう?」

あの赤司にクイズなんて出せんの今のとこみょうじくらいしか知らねえ。しかも赤司も赤司で悩んでるから珍しい。みょうじすげぇ。俺らじゃ一生無理だな。

「襖…か?」

「お、正解」

「ほお」

「それでね…」

続きを聞こうとしてたら横で服を引っ張られた。なんだと横を振り向くと黄瀬が慌ててるような様子で俺を見ていた。引っぱってたのはてめぇか。

「く、黒子っちがいないッス…!」

「…は?」

テツなら隣にいるじゃねェか、と言いかけたが口を閉じた。マジでテツがいねェ。どこ行った!?
んでもまぁ置いていったとかそういうのはねーだろ。
赤司たちの方を見るとテツが見えたってそこ!?
いつの間に行ったんだよ…てかおもしろそうな展開?

「黄瀬、黄瀬」

「なんスかー、黒子っちがいないんスよ」

「いやいた。ほら赤司とみょうじの後ろだ」

テツはいつの間にか赤司たちの後ろにいて何か待っている様子。このままそっとしておこう。

「そして将軍様は襖を開けたの…!」

「見つけたぞおお!と刀を振り回しながら」

「っ黒子も見てたのか」

「あ、おはよ。振り回された刀を将軍様は…」

まさかのテツ参戦だと…!?テツは棒のようなものまで持って話の輪に入っていった。
その後各自の教室に着くまでその話は続いてましたとさ。








「僕だけ仲間外れなんて酷いですっ」

「どっちかというと青峰たちの方が仲間外れだと俺は思うよww」

「そうだねー、ずっとポカーンって口開けてこっち見てるもん。気づかない方がおかしいくらいにww」

「みょうじも気づいてたのかwww」

「もちのろんですwww」

「ズバッて斬るシーンについて話しましょうっw」

「珍しく黒子くんがハイテンションだw」



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