それって予知夢
「俺に逆らうやつは…――」
「!!」
俺の今日の夢。
あ、赤司が…赤司がぁあぁあああ!!?
と、とにかく今日は早めに行こうそして赤司を止めよう!!
と言うわけでいつもより20分早く起床した俺はいつもより早い20分の世界を楽しみつつ家を出た。
20分の時間は短いのかながいのか分からない言わば境目。そんなこともなくはないけど。太陽の位置も、街中ですれ違う人も、周りから聞こえてくる声も全部違う。
とまあそんなのんびりしてる場合じゃない。くそっ、こういう時帰宅部にいる自分を恨むぜ!少し走っただけでもう疲れた!
なんとか校門前には来たがどうしよう、直赤司の教室に行くか。それとも荷物だけ置いてダッシュで赤司の方に行くか。あああどうしよう!!
「何をしているみょうじ」
「!?」
バッと後ろを振り向くとあれっ!!赤司!?
「…みょうじ、どうした。そんな幽霊でも見たような顔して」
「えっ」
「言っとくが俺は幽霊じゃないぞ。どちらかというと黒子がそうだ」
「え!?」
「冗談だ」
何だ冗談かよー。焦るわー。じゃねえ赤司。
今思ったがなんでここに赤司がいるんだろうか。いや部活中だな、朝練だな。練習着だし…。
俺はまだ校門ぐぐって数歩。体育館はここから少し遠いし、赤司がここに来る理由も解らん。
「なぁ、なんでここにいんの?」
「いちゃ悪いか?」
「そうじゃねぇけど」
「みょうじが居そうな感じがして、ここまで来てみたら本当にいたから俺自身驚いてたんだけど…何かあったのか?」
なにこの人エスパー?もうエスパーでしょ。
俺は今朝見た夢の話を赤司に話した。体育館へ歩きながら。さすがにあそこで立ち話なんてしないけど。
「…ふむ、親でも殺すか…」
「赤司はそんな事しないよな…?」
「さぁ。最高の脅しだと思うよ。まぁさすがに親は殺さないけど」
「おお、だよな。さすがに親は…。で、これ使わないよな?」
「今のところは」
「…おおう」
数年後、冬のとある大会でその言葉は使われたらしい…。なんで知ってるか?黒子と赤司にがメールで教えてくれたんだよ。赤司からはご丁寧にも「使っちゃった☆」と星付きで。あんにゃろ…。