奴が出た
事件は昼起きた。
「またやられました…ッ」
「ッ…しぶとい奴め。範囲を広げよう、見つけたら直ちに確保だ!」
「ラジャッ!」
ある晴れた日の事。今日はミーティングをしながらご飯を食べようと、会議室に行きそれぞれの意見が交差していた時…。
「きゃああああ!!」
突然女でもない黄色い頭の黄瀬が叫んだ。それにどうしたと辺りが静まる。黄瀬はやつが…やつが…と譫言のように話している。
それにいち早く気づいた赤い頭の赤司が皆に命令する。
「武器を取れ!奴は、この部屋にいる!」
部下、もといレギュラー一同はさっと配置につく。
「危険レベルは5!心してかかれ!」
自身も配置につき、奴が現れるのを待った…しかし、
「うわっ!」
「…またやられた…ッ」
こうも失敗の連続。レギュラーの残りも少ない。こんな時、あいつがいたら…赤司はこの場にいないその人を思った。
その時だった。
「うぃーっす、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。は○しょん大魔王だy、って何これ」
突然現れた謎の男は目の前の状況が掴めないでいた。何せ男が4人倒れているのだから。そして皆その手には共通のソレを手にしており、そこで漸くこの状況が掴めた。
「待っていたよ…!」
「…わりいな。今みんなの仇を取るよ」
彼はは赤司から差し出された物を受けとると瞬時に奴を倒した。これで世界は平和になる、はずだった。
仲間がこんなにもやられていなければ、の話だが。
「テツヤ、大輝、涼太、真太郎…」
赤司は既に息絶えた者たちの名を一文字一文字噛み締めながら呼んでいく。顔を俯かせ、首を小さく横に振る。
「…もう手遅れなのか?」
「ああ。残念ながら…」
そう言われ赤司と同じように俯かせる。さらりと髪が重力に逆らえず下へと向く。
赤司、とゆっくり口にした。
「G一匹ごときで俺を呼ばないでくれる?」
「でも助かったよ。ありがとう」
「うーん…まあ、いいけど。今度いい殺り方教えるからやってみて」
「是非やらせてもらおう。昼はどうした?」
「これから学食よーん。待ってろ!俺のオムライス!!」
「いってらっしゃい」
「お前らもそろそろ起きろ。あとテツヤ、やるなら最後までやれ。ナレーション」
「すみません…」
今日もここ、バスケ部は平和です。