君もでしょう

次の日、さっそく主将のいる教室へと向かう。入り口でまず中を確認。…分かってた、分かってたよ。一目でわかるほど目立つその色、赤色。なるべく平然を装って真っ直ぐ赤色の元へ向かう。
机の前に立つと髪の隙間からチラリと私を見た、がそれは一瞬ですぐに手元の本へと視線を戻した。
昨日今日で調べたことがある。ふふ、私の情報網舐めんじゃないわよ。

「えっと赤司くん、ですよね」

「そうだが、何か用か」

「はい。バスケ部について」

「マネージャーなら必要ない」

彼は予想してたようにつらつらと述べていく。
ですが私の目的はそれじゃあない。ていうか最後まで言わせてください。

「違います」

「…ならなんだ」

私の予想と違うらしい答えに顔を上げる赤色、もとい赤司くん。
こんな間近で、しかも上目遣い…!赤司くんが座ってなきゃ見れない光景ね。
ああ違う。本題に入ろう。こんな想い、先に言っておかないと後で何されるか分からない。回りくどいのはあまり好かない、直球で言っちゃえ!

「私キセキが好きです」

「…だから、何だと」

「私には分かります。赤司くん、あなたもキセキを愛してませすね?それも我が子のように」

「!…昼休み、部室に来い」

「え、はい…」

あれ、私の予想と違う。昼休みに部室だと…!なにそれ殴られるの?アハハなんてね。

とまあ若干混乱してるけど、落ち着くまで私の事を少し話そうか。

私は昨日、バスケ部の一軍レギュラーを見て恋をした。一般的な恋愛のようなものじゃあない。さっき赤司くんにはああは言ったものの、自分でもうまく分かってない。でも一軍レギュラーの誰かに恋をしたんじゃない。誰か、とかじゃなくて“キセキの世代”と言われる彼ら。それから“幻の六人目”に恋をしたのだ。
そして昨日と今日でバスケ部、というより“キセキの世代”についてありとあらゆることを調べた。だから“幻の六人目”についても詳しく分かったし、それらを支える凄腕マネージャーの情報も掴んだ。ついでにメンバー全員のプロフィールも。
赤司くんに告白(好きです、とかじゃなくて)した今現在は1時間目と2時間目の間の休み時間なのだが、今朝見た朝練にて赤司くんのキセキ(六人目を含む)たちを見る眼差しが普通と違った。それは愛してると言える様な。私にはすぐに分かった。きっとあの人も私と同族なのだと。同士だとすぐ仲間だと分かるでしょう?それと一緒。

そしてさっき初の接触を試みた、というわけだ。
案の定昼休み会う約束になってしまった…!どどどうしようここっ心の準備が!!

とまぁその時は思ってたんですよ。

「興味ないなら逆に大歓迎だよ。よろしく」

「こちらこそ!」

何故か今キセキLove同盟が結成された。どういう経緯なんだと聞かれたら、話せば長いがざっとこうだ。

・昼休みにバスケ部の部室(うろ覚えだったけど)に行く。
・当たり前のように赤司くんがいる(いつ来たの…)。
・適当に座らされる(何故か隣)。
・行きなり本題。
・「俺がキセキ好きってどういうこと?」と睨まれる。
・「違うの?」「いや合ってる」まさかの即答である。
・「…何故分かった?」「言いましたよね、私も好きだって。昨日の公開練習でキセキの世代と呼ばれる君たちに一目惚れしました」それから想いを彼に語ること約5分。
・さすがに気付いて急いで謝るも赤司くんに手を取られる。
・!?
・俯いていた赤司くんが顔をあげて「分かるかい俺のキセキたち!」とキラキラとテンションMAXな赤司くん。
・そして私同様キセキについて語ることかれこれ10分。
・終わるなや否や「君は中々見どころがある。キセキLove同盟を組もう」もちろん了承と言うか頼み込むよ。
・「それと敬語はいいよ」←イマココ

…と、言う訳なんですよ!でも敬語…うーん赤司くんだから入れちゃいそうだなあ。まあすぐに取れるほど出来てないけど。

「今度歓迎の意を込めて一緒に食事をしよう。そしてお互いのことを知ろう」

「それはわたくし大歓迎です!赤司くんもキセキの世代の一人!むしろ感激で泣きそう」

「決まりだな。と、あと10分で昼休みが終わるな。時間を取らせて悪かったね」

「いいいいえこちらこそ。あ、メアド交換しよ」

「そうだね、そうしよう」

ピピッと交換。わあああ赤司くんの名前が一番上にあるううう!!
どうしよう今なら死ねる……フッ…。

だが死なん。

「それじゃあまた」

「うん、またね」

ここが私の人生の転機。そして虹色物語。
運命ってこういうことを言うのね…!!



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