目的は
再び静かになった部屋で一人考えていた。
なんであんなこと言っちゃったんだろ。
“私もこの美術館に来たから”
“もし次会うことになったらその時に教えてあげる”
会う事なんてもうないと思うけど。
もしまた会えたら、なんて考えてるのかしらね。バカみたい。
ここは私の部屋、私が自由に操れる唯一の部屋。
ずっとあの二人と居たら離したくない、なんて思い始めたから咄嗟に追い出した。
これじゃあ美術品と同じじゃない。私は違うのに。
そういえば大丈夫だろうか。もし、危なくなったら助けてあげたいが…。
そんなこと許されるのだろうか?
―絵なのに。
うるさいわかってるよ。今の私の事くらい。
《あそぼうよ》
「…うるさい」
《こんどはあのふたりだよ》
《でもね ぎゃりーは おいてくんだって》
《よかったね》
それどういうこと?私以外にも、人がいるってこと…?
でもそうよね、そうじゃなきゃ二人も呼んだりしない、はず。
「…!」
ギャリーが、危ない。
今回の標的は、
助けたいのに、なぜか動けない。どうして、何故。怯えてるの?
あの時の私が自然と重なり、今の私がひっそり嘲笑った。