アイス食べる?


朝もそれなりに冷えるが夕方はもっと冷える。だが寒い日に限って無性に冷たいものが食べたくなるもの事実。特に風呂上りとかね。
そんなわけでちょっと寄り道なうですよ。
目的はただ一つ。季節外れのアイスを食べるのです!ついでに炭酸ジュースも買おうかな。

コンビニへ寄り道し真っ先にアイスの前へと歩み寄る。ああ!早く食べたい!
が、その前に先客がいたようだ。


「お…雪原?」

「あ、雪原さん。どうも」


そこには青グループがいた。
一応最低限お辞儀だけはするがそれ以上はガン無視。顔からして絶対怖い。不良だ。バスケ部とか信じない!水色の方はいい人そうだけどさ。


「雪原さん」


アイスを選んでそそくさとレジへ向かおうとした時水色の彼に呼び止められた。
一応水色さんは安全だと思うので普通に振り向く。…あ、そういえばこいつらの名前知らない。


『な、なんでしょう』

「よければ途中まで一緒に帰りませんか?」

『それくらい、なら…』


いいよ、と言う前に水色の彼は優しく笑い、「わかりました。では店の前で待っててください」とだけ言うと青色の強面の彼に向き直った。
私もレジへと急ぐ。アイスが溶けない内に早く。あ、炭酸も取らなきゃ。




◇ ◇ ◇




「お待たせしました」


言われた通りコンビニの前でアイス食べながら待っていると水色の彼が青色の彼と一緒に出てきた。
二人揃ってゴリゴリ君を持っていた。
行こっかと先に歩けば隣に水色の彼が並んで歩く。青色の彼はその後ろにつく。
ここで思い切ってさっき思った事をぶちまけてみる。


『そういえば私君たちの名前まだ知らないんです』

「あれ、言いませんでしたっけ」

『はい。キセキの世代と言われても個人の名前までは知りませんからね』

「…それは…意外ですね」

『よく“時代遅れ”と言われます。気にしてませんが』

「キセキはともかく、黄瀬君を知らない人物なんて珍しいですからね。モデルやってるらしいですよ」

『へぇ。雑誌には興味ないんですがね』

「読んでるところみたことないです」

「おいお前ら俺も混ぜろ」


ほわほわした空気に和んでいたら、ずっと放置を食らってた後ろの青色の彼がドが付く程低い声を出した。思わずビクッと肩が跳ねる。
そして咄嗟に水色の彼を盾にするように隠れた。


「やめてください青峰くん。彼女が怯えてるじゃないですか」
「あ゛ぁ?俺を放置するお前らが悪いんだろ」

「さりげなく入り込めばいいじゃないですか」

「…はっ」

「はぁ…」


呆れたようにため息を吐く水色の彼はチラリと私を見てまた歩き出す。
青色の彼は怖いけど水色の彼の傍にいればなんとなく安全な気がした。


「…雪原さんそうくっつかれると少し歩きにくいです」

『わぁ!?ごごめん…!』

「青峰君が怖いのは分かりますが、大丈夫です。僕が守りますから」


そう言って笑う彼に、少しだけきゅんとしてしまいました。
この人の笑うところ初めて見たな…。いつも無表情だし…。


「遅れましたが僕は黒子テツヤです。こっちが相棒の青峰くん」

「青峰大輝だ。よろしく」

『あ、よろしくお願いします』


軽く会釈してそのまま3人で他愛もない会話をして別れ道でバイバイして、それで終わり。

今日の復習。
水色の彼は黒子くんで、青色の彼は青峰くん。
青峰くんは髪の色そのままなんだけど、黒子くんはそういうのないなぁ。
青峰くんはちょっと怖いけど根はやさしいみたいだし、とりあえず大丈夫かな。
何かあったら黒子くんを呼べばいい、と。
…他のキセキの世代さんたちも、名前に色があるのかな。

今日は水色と青色が私の世界に加わった。




アイス食べる?
(そういえば私なんで彼らに告白されたんだ?)



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アイス食べてるから良しとしよう…。

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