美少年発見! 空は晴天!雲は快晴!結局どっちも同じ意味だけど! しかしこれだけ気持ちいいほど晴れてるといい出会いってのもありそう。 少女漫画みたいにパン咥えて角を曲がるとキャッ!みたいな? 残念ながら私はそんな夢見る子じゃない。つかベタ過ぎ。笑えない。 それにもう私は教室内にいる。いやー残念でした!って何にだよ。 どっちかって言うと少年と少年といちゃラブとか! ええ、まぁ世間では“腐女子”に分類される。 BLはもちろん、NL、GLも大好物さ!え?わからない?知らなくて良い事もあるのよ!世の中! さて、今私は教室の隅で本をひっそり読んでるわけだが内容はGL。これがまたじれったい!! 告白できないのは分かる。したら友達でいれなくなるのは分かる。 でもここは私のためにその胸の内に秘めたそれを解放してはどうだろうか! 本を読むのをやめ、ふぅ…と息を吐いて窓の外を見た。 ああ本当にいい天気…神様、素敵な出会いをください…なんちゃって。 ふと視線を下にずらすと時間ギリギリにやってきた生徒。 寝坊か、寝坊ね。昨日どこに居たのかしら。なわけないか。 ふっ…現実にこういうのを求めちゃいけないよね。でもついほしくなっちゃう。だって女の子だもん…。 あーあ、どっかにいい少年いないもんかねー。 「あの」 後ろから声がして振り向くとなんというか儚い少年。手に持ってるプリントからして…あ、今日提出日か。たしか机の中に入れてたはず……あった。 『はい』 机の中からプリントを出し、それを少年に渡す。 …にしても彼影薄いって評判でよくよく顔見たこと無いな。ちょっと拝見…。 儚い雰囲気が特徴的な彼はどちらかと言えば小柄で、パッとしないイメージ。印象に残るのは目かな。独特の目をしている。 攻めでも受けでも行けるね。んふふおいしい。 『(いけないいけない)』 現実では求めない。だって二次元の方がお宝満載だしそっちの方が都合だっていいしおいしいし妄想しやすいし俺得ですしおすし。 運動部というより文芸部だろうか。でも結構朝早くから来てるし、朝練のある部活…だとすれば運動部になる。 見た感じ細い。あんな体で走れるの?折れたりしない? 今日体育の時間ってあったっけ。あったらぜひ、彼の体を拝見させていただきたい。 ていうか白いな。首元に赤いそれを付けたらよく映えるだろうな。相手は誰?俺様系?わんこ系?無口?ヤンデレ?って全部受けー。 逆に付けちゃう?付けちゃう?それで「僕にも付けてください」って感じに自ら首を差し出すとか?ふほほほほ!! …じゃねええええええええ!!! 現実では求めないって言ってたじゃん!いや口には出してないけど。 うーんしかしこうも儚い少年がいると男が黙っちゃいないだろ。ふむ。 時は過ぎ昼休み。お弁当を食べながら本を読む。 んーまあ元から人と食べながら話す主義じゃないし、元々一人だし、というか人と絡むのは特に…別にぼっちじゃなくってよ。 あの儚い少年はここから隣の隣の後ろでもひもひとサンドイッチを頬張りながら本を読んでる。小動物みたいでものすごく可愛い。写メ撮りたい。とても。 しかしまあよくここまで発展したもんだ…あ、本の話ね。この辺にまで行くとスキンシップはもう少し多くなってもいいんじゃないか。いやもうキスすれば改めて自覚してくれると思うのだが。…っち、しないのか。じれったい! お弁当に入ってた唐揚げを一口で頬張ると教室のドアが開く音がした。今更誘いですかー。リア充かな。リア充は氏ね。 「黒子っちー!一緒にご飯食べよっ」 と教室全体に響く声。同時にちらほらと黄色い歓声。ああ、駄けn…黄瀬か。たまーにここに来る彼。モデルらしいけど心底どうでもいいし興味ない。何度か来るうちにクラスの女子が騒いでいるのを聞いてて覚えてしまった。てか黒子っちって誰だ。…男か? おっおっおっお(^ω^≡^ω^) ちらっと後ろを向くと予想通りの黄色い駄け…黄瀬と、後ろにカラフルな人たち。全員男。しかも来る人全員が美形、イケメン…んふっ。 おおっといけね、まだそうと決まった訳じゃない。いやというかないよね。ん?というかあれバスケ部じゃない?つまり黒子っちとやらバスケ部か…おーおーみんな儚いあの少年の元に集まる集まる…へ?え、え。じゃあ彼が黒子っち?じゃない黒子?ほへーなるほど。あ、こっちの話ね。 …わ…。 『(綺麗な人…)』 イケメン集団の中で、一番小さいその人がはいってきた時私の目はその人一点に集中する。漫画とか創作の中に出てきそうな彼は、私の目を引き付けるには十分だった。 燃えるような真っ赤な髪。初めて見た、バスケ部主将、赤司征十郎。ここで間違っちゃいけないのが「征」という字が「正」ではないこと。「郎」の右が「月」ではないこと。…あ、どうでもいい?めんご。 容姿端麗、成績優秀。何をやらせても一番。完璧で天才。妬むもの後を絶たず。字合ってる? イケメンで天才とかチート過ぎる!うわあああ日頃から目にだけは優しくしててよかった!おかげで数メートル離れている赤司くんの顔が見えますぞ! …やっべ直視できないわ。マジでくらっと来た。 見た目俺様系だよね、てか今「俺」って言った!「俺が呼び出したというのに無視とはいい度胸だな?黒子」「…すみません赤司くん、気付きませんでした」とか聞こえるんですけど!これってBL?BLだよね!キャーーー!!にやけそう!やばい! いや待て待て待て落ち着け!ここでまず整頓しよう!あの儚い少年はバスケ部だった!意外!ていうか見るからに体力無さそう。ここのバスケ部って強いらしいからそれなりに練習もすごいわけでしょ?体力のない(予想)彼はいつも練習中、もしくは終わった後ぐたーっと倒れてそう。そこに彼の仲間が来て「大丈夫か?」なんて声かけてたらもう、もう…!! 私もうそれだけでご飯3杯行けるわ。ちょっとおかわりしてくる。 問題の組み合わせは…赤司と黒子よね。ちゃんと出来なかったらお仕置き…とか!!主将×部員、部員×主将…あ、どっちもおいしいですありがとうございます。まあ美少年さんは攻めでも受けでもいける。いや主に私が行ける訳よ。やだ至福! うん!三次元も捨てたもんじゃないね!今日は攻め攻めBL本読もう。 『(…あ、いけない)』 ついガン見しすぎた。少しバレてないかやべべ!バッと視線を戻すのはさすがに不自然か。なら別のとこを見てスススッと視線を戻す。携帯を取り出してツイッ○ーに「ホモガン見したったなうwww」とツイート。はあ、この本、続きはまたにしよう。 美少年発見! (童顔がまたいいのよねぇ…ふふ、メモしとこ…) prev/next |