(0101) ▼ 怪盗黒子(キセキ)とお嬢様

社交界における絶対の規定

一つ、ダンスは14から。参加は10から
一つ、化粧は絶対(但し厚化粧)


今夜のパーティーという名の出会いの場の開催者は私の父が開いた
当然娘である私も出なくちゃいけないんだけど、あんな厚化粧して出たくない。よくもまぁあんな化粧して人前に出れるな。あんな厚化粧するなら破廉恥なパフォーマンスした方が断然マシ
何処かに自由な世界はないのか。私にこの世界は向いてない
だからノーメイクで今この場にいる。隙を見てバルコニーに来たが、あの下にいる人たちはどんな生活をしているんだろうか
父は下品だの汚いだの言うが、私にはこっちの方が汚い。当たり前だと言うが、子供を出世の道具にする。どっちが汚いの
ある程度なら下の人たちの生活は知ってる。私はそれを見てなんて素敵だろうと思った
私もあそこに住みたい。こんな世界から抜け出してやる

部屋に戻るかと中を見た時、黄色い歓声が湧出た
何事だと隙間から顔を覗かせると今話題のイケメン集団。余所の国の人たちらしいがその人たちがどの人もイケメンで、こういう場を開くと必ず呼ばれている。毎晩のように開かれているパーティー。きっと大変だろうな
こうも近い所で見たのは初めてだな。精々20mくらい離れたところでしたみたことなかった。けど今は10未満といったところか。でもカラフルすぎて少し目がちかちかする
父に見つかったらいやだし、さっさと部屋に戻ろう




『…え?』


部屋に戻った
けど知らない人がいる
私は部屋を間違えたの?


「あの…」

『ひゃい!!』


…噛んだ


「どうしてこの部屋に…」

『この部屋は私の部屋よ。あなた、誰』

「…怪盗、と言えばお分かりになりますか」

『怪盗?…もしかして怪盗7のことかしら。言っておくけどそこに金目の物はないわ。タンスの奥、それとこの部屋を出た右に金目のものがある。…そうそう、』

「?」

『この部屋の左には行かないで。絶対よ』

「あ、はい。あの」

『なに?』

「なぜそんなに教えてくれるんですか?逆に疑いますよ」

『私宝石とか興味ないの。だから根こそぎ盗ってもいいよ。代わりにと言ってはなんだけど左の部屋に行かないで』

「…分かりました。ちなみに左は何の部屋ですか?」

『……母の部屋』

「え?」

『数年前に死んだ母の部屋なの。生前の状態そのままに保管されているのよ。だから私と父以外が入るのは絶対にダメ。使用人、でも』

「すみません」

『なんで怪盗が謝るの』

「いえ、失礼な事を聞いてしまって」

『いいの、別に。それにあなた、そんなに悪い人じゃないと思うから、だから好き勝手言ってるの。大人たちが言ってるほど、悪い人には見えない』

「そう、ですか」






『ねえ』

「はい?」

『私も盗ってよ』

「…はい?」

『あなたたちは下の人たちでしょ?私そこに行きたいの。だから、」


私も盗んでやってくれないかしら。



怪盗→世界を旅するイメージを持つお嬢様。ただこの世界から抜け出したいだけなの。
分かると思いますが、あの人たちキセキです。




2014.01.01 00:00


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