(0101) ▼ 赤司と未亡人

未亡人である彼女に恋してあれそれ。突然始まり突然終わる。(いつもである)
設定少しいじって赤司君が息子だったってのもおもしろかったなあ。




「征ちゃん、彼女は未亡人なのよ」

「…未亡…人…?」

『玲央ちゃんそれは私から言うって約束だったでしょ』

「ごめんなさいね、つい見ていられなくて」

『もう…赤司君、ごめんね』

「なぜだマユ、なぜ嘘をついた」

『…近づいてほしくなかったの。ああするしかなかった。なのにあなたはどんどん近づいてくるし…気づいたときにはもう突き放せない距離にあなたがいた!!』

「マユ落ち着いて。あなたらしくないわ」

『…っ、ええ、そうね。…赤司君、私の話聞いてくれる?』

「…ああ」

『五年くらい前だったかな。突然夫が死んだの。原因は事故死。子供を助けるために、』

「………」

『でもね、あの場に私がいなければあの人が死ぬことも、遺族が悲しむこともなかったの』

「マユそれは責めすぎだ。そんなことはなき」

「征ちゃ『あるよの!今私がこんな風になったのも、あなたを正面から愛せないことも、全部、全部…あの人の母親に言われたことなの!』…マユ、」




「あなたがいるから私の息子が死んだのよ!あんたが代わりに死ねばよかったのに!!
今後一切私の前に、私の子に姿を見せないで。もう人を愛さないで!息子の子供はうちが引き取ります」




『“これ以上あんたのせいで犠牲者を増やす気なの!?”…ってね』

「…っ」

『…だからね、赤司君。私君のこと好きだけど愛せないよ。一緒にいちゃいけないんだ。だからね、もう会わない方がいいんだ』

「………る…」

『え…?』

「ふざけるな!!」

「征ちゃん!?」

「何が死ねばよかったのにだ、何が犠牲だ。子供まで勝手に奪っておいて。ただの八つ当たりじゃないか
いいかマユ、この世に人を愛しちゃいけない人間なんていないんだよ。愛せばいい、好きなだけ愛せ
それから僕から離れようとするな。お前はもう僕のものだ」

『……っ私は…!』

「子供なら奪い返すぞ。お前が望むなら」

『…!』

「どうしたい?マユ」

『っ、返したい、私の、あの人と私の子を取り返したいよ!でもっ、でも…!』

「なら決まりだ。玲央、車の用意を」

「そう来ると思って準備済みよ。人使い荒いんだから。…マユ」

『!れ、お…』

「征ちゃんなら大丈夫!昔色々あったけど生命線ならとっても太いわ!それに運もいい。アンタが気にすることないのよ」

『う、ん…!』

「…二人とも、気をつけてね」

「ああ、いってくる」

『いってくるね、玲央ちゃん』

「子供の顔楽しみにしてるわよー!」




2014.01.01 00:00


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