(0101) ▼ 赤司と奴隷

赤司くんは主人側の人間です。(先に言っておきます)
中編行けそうだなーってくらいには好きです。




幼いまま両親から突き放された子供がうじゃうじゃいる
薄暗く埃臭いここは奴隷市場。何も知らない分からない。なぜここにいるのかすら分からない無能な奴らが集められている
奴隷は何をされても、何を命令されても逆らえない。のが一般的だがここは特別で
何も知らないで何の教えもないまま。買い手が調教していくとことすでに調教済みのとこがある。今回俺が来たのは未調教の方だが

それぞれの牢屋に数十人程入れられた子供を眺めどれにするか選ぶ
気に入る子が見つからずそのまま通り、いつの間にか最後の部屋まで来た
中を覗くとそこにいるのは一人。膝を抱え蹲っている
大抵の餓鬼どもはこちらに興味津々な様子で見てくるのだが、こいつは違うようだ
まるですべてわかってるかのよう


「おいお前」

「……」


大抵は呼んだらくる。それは好奇心で
その時の様子で大人はそれで選んでいくと父様に聞いた
だがこいつは来なかった。聞こえなかったかと思い、今度はもう少し大きな声で呼ぶ


「おい」

「………」


尚も無視を続ける
こちらに気付いた管理者は俺に近寄り「その子は…」と説明をし出した


「申し訳ありません。そちらは販売してないんです」

「なぜこいつは一人なんだ?」


管理者の話を無視してずっと疑問に思っていたことを聞く


「それは…コレには少し問題があるんです…」

「問題?」

「…実は、コレだけは全て分かっている様なのです。勿論このような例はありません。会議した結果調教させるという結論に至ったのですが、こ暴れまして…」

「…おもしろい。こいつをくれ」

「ですからコレは…!」

「いくらなら売ってくれる?」

「…っ。いえ、お代はいりません。どうぞ、もらってください」

「ああ」


鍵と鎖と首輪を受け取り、管理者は別の人のとこへ行った
鍵穴へ鍵を挿し、中へ入る
全て分かっているならこれからどうされるかも知っているんだろう
近づいてもピクリとも動かない
そっと肩に触れる。漸く小さく肩が跳ねた


「こっちを向け」

「…………」


おずおずと顔を上げる
正面を向いた時、一瞬だけ時が止まったかのように思えた
こいつ…


『……ん』

「!」

『…付けるんでしょ?付ければ?』


俺の持っているもの見て自らの首を差し出してきた
…本当に分かっているんだな
腰まであるであろう長い髪を一つに束ね、首輪を付けやすいようにしていた
その際見た目は蔑んでるような、暗い目をしていた。




2014.01.01 00:00


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テーマ「人外ファンタジー」
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