(0701) ▼ 赤司の妹は引き籠り

帝光中学バスケットボール部。部員数は100を超え、去年ほとんど一年だけだった全中は優勝し、今年もまた期待される学校。
そんな部の主将、赤司征十郎はある悩みを抱えていた。
誰にも相談出来ず、いや、したところでどうなるというのだ。下手すれば弱みと捕えられ良くない方向に行くかもしれない。
まあその悩みがそんなことで済めばいいものだと思う。

赤司征十郎は小学生の頃からずっとこの悩みを抱えていた。
そんな彼は部活帰りに頼まれた物をコンビニで買うとそのまま家に帰った。

「ただいま」

がさがさと音の鳴るビニール袋を引っさげたまま、赤司は部屋の前まで歩いた。何も言わず無言で扉の取っ手を回して押した。
そして目の前の光景に一つ溜め息を吐いた。

今日も何も変わらない。

「帰ったぞ」

『んーおかえりー』

「昼は食べたのか?」

『食べなきゃこの戦には勝てんよ。頼んでたもの買って来てくれた?』

「ああ」

そう言われ手に引っ提げてたものを持ち上げ買って来たと伝える。時折がさがさと音のする音を確認し、目の前の人物は初めて赤司を見た。

『わ、ありがとー!』

「…全く…いい加減僕じゃない誰かに頼んだらどうだ?むしろ学校に行け」

『兄さん分かってない。あそこは魔物がうじゃうじゃしてるんだよ?布の服しか装備してない私に、いや武器も持ってない私にあの戦場に行けと?はっ笑わせる』

「まずそのゲームらしき単語を外せ。分からん」

『要はそこに行くほどの勇気は私にはありません。…もうやだ』

「……」

帝光中学バスケットボール部主将、赤司征十郎。
彼の悩みは妹が不登校兼引き籠りであること。
理由は定かではないが、人間関係に疲れたのだと彼はずっと思っている。
おかげで中学は期末、中間などのテスト日だけ保健室登校。テストの結果はいつもいい記録を残しているからか教師たちは何も言わない。いや、もしかしたら彼女が何か言っているのかもしれない…。
ともかく。引き籠ってしまった彼女はゲームやアニメ、ネットの世界に没頭するようになってしまった。

俺は彼女を学校に行かせたい。

その為に僕は手遅れにならないように少しずつ頑張るしかない。




2014.07.01 15:15


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